Walmartは「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」とオンプレミス型プライベートクラウドによるハイブリッドクラウドを構築した。コスト削減が狙えるという、同社のハイブリッドクラウドの中身とは。
IaaS(Infrastructure as a Service)でワークロード(アプリケーション)を実行するには、当然ながらクラウドベンダーにIaaSの料金を支払う必要がある。IaaSへの依存度が高まれば、料金は高額になりがちだ。米国に本部を置くスーパーマーケットチェーンのWalmart(ウォルマート)も、この課題に直面した。
ワークロードのインフラとして単一ベンダーのクラウドサービスに依存すると、複数種類のクラウドでワークロードを実行する選択肢がある場合と比べて、コストが増大する可能性が高まる――。これが、Walmartが出した結論だ。
「どのような規模の企業でも『複数の選択肢を持つ』ことがコスト管理に役立つ」。Walmartでインフラサービス担当バイスプレジデントを務めるケビン・エバンス氏はこう言う。
Walmartは、クラウドサービスとオンプレミス型プライベートクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドを運用している。具体的にはクラウドサービス群であるMicrosoftの「Microsoft Azure」とGoogleの「Google Cloud Platform」(GCP)、オンプレミス型プライベートクラウドを横断してワークロードを実行できるようにした。これを可能にしたのが、ハイブリッドクラウド構築システムの「Walmart Cloud Native Platform」(WCNP)だ。WCNPはコンテナオーケストレーションツールの「Kubernetes」を基に、2020年にWalmartが構築した。
AzureとGCPには、人工知能(AI)技術のクラウドサービスが幾つかある。WalmartはAIアプリケーションの開発コストの削減や開発期間の短縮のために、一から内製するのではなく、可能な限りクラウドサービスを用いる方針を選択している。
WCNPにより、Walmartはサーバやストレージ、ネットワークのリソースをより低コストで開発者に提供しやすくなった。「WCNPを利用することで、単一ベンダーのクラウドサービスだけを利用するよりも、低コストでワークロードを実行できる」とエバンス氏は語る。
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