NAND型フラッシュメモリの新しい技術を取り入れることで、SATA接続SSDにはどのような影響があるのか。ストレージ市場におけるSATA接続SSDの今後を考える。
ストレージインタフェース規格「SATA」(Serial ATA)で接続するSSDが市場から消えるとの見方がこれまであった。だがSATA接続SSDが引き受ける“ある役割”を前提にすると、その見方には疑問を呈さざるを得ない。新世代のNAND型フラッシュメモリ搭載SSDで考えてみよう。
Micron Technologyが新たに開発したSATA接続SSD「Micron 5400 SSD」は、メモリセルを176層に積層したNAND型フラッシュメモリを搭載する。このNAND型フラッシュメモリは、1つのメモリセルに3bitを格納する「TLC」(トリプルレベルセル)の記録方式を採用している。
SATA接続SSDであるMicron 5400 SSDの発表において、Micron Technologyがストレージ市場に示したのは、「SATA接続SSDは新しい技術を採用して存在し続ける」ということだ。
Micron 5400 SSDは、HDDからの入れ替え用として検討することができる。ストレージプロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を使用するSSDと比較した場合は、容量単価が下がると考えられる。
SATA接続はSSDのインタフェースとしてはレガシーで、NVMeほどは注目されにくい。だが調査会社Forward Insightsの創設者でアナリストのグレッグ・ウォン氏は「SATA接続SSDはすぐにはなくならない」と語る。特にMicron Technologyのように、NAND型フラッシュメモリの新技術をSATA接続SSDに取り入れる動きが市場を活性化するのだとウォン氏は分析する。
ハードウェアベンダーやクラウドベンダーは、SATA接続SSDをブートドライブ(コンピュータの起動時にOSの読み込みに使うストレージ)に使用している。ウォン氏は「依然としてSATA接続SSD市場は活発だ」と指摘する。
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