バックオフィスが“あの機能”で変わる 英国組織のWorkday活用英国組織のクラウド移行とバックオフィス改革【後編】

英国の金融オンブズマンサービスは、Workdayのクラウドサービスを導入した。同機関が、バックオフィスを変えるために使う機能とは。

2022年12月13日 05時00分 公開
[Karl FlindersTechTarget]

 英国の金融ADR(裁判外紛争解決手続き)運営機関である金融オンブズマンサービス(FOS: Financial Ombudsman Service)は、ERP(統合業務)システムベンダーWorkdayが提供するクラウドサービスを導入した。目的はバックオフィス(人事、経理、総務などの管理部門)全体のシステム刷新だ。FOSはバックオフィスの業務効率を高めるために、どのような機能を活用しているのか。

バックオフィスを変えるWorkdayの機能とは

 FOSは、消費者と金融サービスプロバイダー間の法的なトラブルを解決することを目的に、2001年に英国会議員が設立した機関だ。FOSのサービスの利用者は毎年100万人以上に上る。

 2021年11月、FOSはWorkdayの人事(HR)システムと財務システムを導入した。同機関はWorkdayのシステムを人員計画に活用する。同機関で最高情報責任者(CIO)を務めるニコラ・ワダム氏は「FOSは利用者の需要を基に動く組織だ」と語る。従業員構成の把握や、案件への適切な担当者の配置、担当者が適切なスキルを持っているかどうかの確認に、Workdayは大いに役立つと同氏は期待する。

 FOSはWorkdayが提供するオプション機能群「Workday Innovation Services」の24個の機能のうち、8個の機能を利用している。例えば以下の機能だ。

  • Workday Everywhere
    • コラボレーションツール「Microsoft Teams」との連携機能。Workdayの画面からMicrosoft Teamsを使用できる。
  • Workday Assistant
    • 自然言語処理を用いるチャットbot。休暇申請や給与明細書の検索を音声で実施できる。

 ワダム氏は、こうした機能を活用することで「業務をスピーディーに進めることができる」と評価する。他にもワダム氏が率いるチームは、面接スケジュールを設定する機能の導入を検討している。従来、面接の応募者は電話で日程を調整していた。これをオンラインで完結できるようになる。「ニッチだが強力な機能だ」と同氏は言う。

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