新型コロナウイルス感染症の流行中、企業におけるシステム導入は従来と異なるものになった。英国の組織はどのようにクラウドサービスへの移行を進めたのか。
英国の金融ADR(裁判外紛争解決手続き)運営機関である金融オンブズマンサービス(FOS:Financial Ombudsman Service)は、クラウドサービス型の人事(HR)システムと財務システムを導入した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるロックダウン(都市封鎖)で従業員が在宅勤務を余儀なくされたことで、同社のシステム導入は標準とは異なるものになった。
FOSは、消費者と金融サービスプロバイダー間の法的なトラブルを解決することを目的に英国会議員が2001年に設立した機関だ。同機関のサービスの利用者は毎年100万人以上に上る。
2021年11月、FOSは提携するIBMの協力を得て、ERP(統合業務)システムベンダーWorkdayのHRシステムと財務システムを導入した。同機関は、Workdayが提供するクラウドサービスを足掛かりとし、バックオフィス(人事、経理、総務などの管理部門)全体のシステム刷新や、働き方の変革を目指す。
FOSで最高情報責任者(CIO)を務めるニコラ・ワダム氏は、「レガシーシステムの廃止は目前だ」と語る。保管が必要なデータをアーカイブしつつ、データセンター利用の廃止を進めているという。
COVID-19の流行前、FOSの従業員はオフィスに出社し、システムの利用方法について対面で相談することができた。それができなくなったため、FOSは従業員が気軽に利用できるオンライン相談窓口を用意し、適切なサポート情報を提供した。FOSの従業員は2週間のうち4日間出勤し、他の日は在宅勤務という、ハイブリッドな働き方をしている。
中編と後編は、FOSがWorkdayのクラウドサービスを導入したことで創出した成果や、活用する機能の詳細について紹介する。
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