スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売企業は、フードロス対策の取り組みを強めている。そこで注目されるのが「モバイルアプリケーション」だ。どう活用するのか。
フードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減を目的に事業を展開するモバイルアプリケーションベンダーOLIO。同社が提供するモバイルアプリケーションは、フードロスを削減する仕組みを取り入れている。同社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるテッサ・クラーク氏は、「フードロス削減を目的としたモバイルアプリケーションへの関心が、小売業者の間で強まっている」と話す。
同社が提供するモバイルアプリケーションには、毎月100万個近くの廃棄予定の商品が登録されている。クラーク氏は、小売業界でフードロスへの関心が強まっている根拠として幾つか例を挙げる。例えばショート動画共有サービス「TikTok」では、消費期限が過ぎていても品質的に問題のない食品を廃棄する企業について非難する動画がトレンドになった。他にも、EU(欧州連合)におけるフードロスに関するデータ報告の義務化について、延期されていた協議が2022年6月に実施された。このような動きが、フードロスへの小売業者の関心を集める理由になっているという。
フードロス対策の分野に参入する企業の一社が、モバイルアプリケーションベンダーのToo Good To Go International(TGTG)だ。TGTGは小売業者と提携して、消費期限が近い商品の収益最大化を支援するモバイルアプリケーションを提供する。同社はコーヒーチェーンCosta Coffeeを展開するCostaや、大手スーパーマーケットWm Morrison Supermarkets、コンビニエンスストア運営企業A.F. Blakemore and Sonなどと共同でプロジェクトを進めている。
TGTGが提供するモバイルアプリケーションのユーザーは、同社と提携する小売業者から、廃棄予定の食品が詰め込まれたバッグを定価よりも割安で購入できる。例えば、10ポンド相当の食品が入ったバッグを3ポンドで入手可能だ。
モバイルアプリケーションベンダーGanderもフードロス削減に取り組む企業だ。同社が2019年にリリースしたフードロス対策アプリケーション「Gander」は、小売店にある賞味期限切れ間近の割引商品をリストアップする機能を持つ。Ganderは、北アイルランドを拠点にコンビニエンスストアの運営や卸売りを手掛ける企業Henderson Technologyと提携している。
コンビニエンスストアSPARの店舗を含む約450店舗が、Ganderと連携している。店舗で値引きが実施されるたびに、モバイルアプリケーションが自動的にその商品を在庫に追加する仕組みだ。
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