英国の大手スーパーが「フードロス問題」と戦う“深い”理由小売業界が取り組むフードロス対策【第2回】

TescoやIcelandといった英国の大手スーパーは、モバイルアプリケーションベンダーと提携し、フードロス対策に取り組んでいる。その背景にある理由とは。

2022年11月22日 05時00分 公開
[Ben SillitoeTechTarget]

 2021年7月、英国の冷凍食品専門スーパーマーケットチェーンIceland Foodsは、フードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減を目的とした事業を展開するモバイルアプリケーションベンダーOLIOとの提携を発表した。フードロスの削減によってどのような効果を狙っているのか。

大手スーパーが「フードロス問題」に取り組む理由

 OLIOは、総勢約5万人のボランティアで構成するグループ「Food Waste Heroes」を擁する。グループのメンバーは、Iceland Foodsが運営するスーパーマーケットの閉店後に店舗を訪れ、廃棄予定の食品を自宅に持ち帰り、それらをリスト化してOLIOのモバイルアプリケーションにアップロードする。食品を必要とする消費者はその情報を見て、必要とする食品を無料で受け取ることができる。2021年にはIceland Foodsの協力の下で試験的にサービスを提供し、4000食を240世帯に再分配した。

 フードロスを削減することで食品の廃棄に伴うエネルギー消費を削減可能だ。これは持続可能性(サステナビリティ)の向上につながる。それだけではなく、Iceland Foodsでマネージングディレクターを務めるリチャード・ウォーカー氏は「生活費が高騰を続ける時代において、英国全土の生活に苦しむ人々が食品を無料で入手できるようになる」と強調する。

 小売業者がこうした取り組みを実施することで社会に貢献することは確かだが、ビジネス面から見ても妥当な判断だという。OLIOの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるテッサ・クラーク氏は、「ネットゼロ(温室効果ガス排出量が実質的にゼロの状態)を達成したい小売業者は、フードロスを削減する必要性について認識しつつある」と話す。

 「2021年初めに、OLIOのサービスに対する関心が劇的に高まった。消費期限が切れたとしても問題なく食べられる食品を毎日廃棄することに、従業員が不満を抱くようになっていた」とクラーク氏は話す。

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