Deloitte AI Instituteの調査により、企業の間ではAI技術の活用が広がっているものの、実際の成果が芳しくないことが明らかになった。何が起きているのか。調査結果から探る。
国際会計事務所/コンサルティング会社Deloitte Touche TohmatsuのAI(人工知能)研究部門であるDeloitte AI Instituteは、世界規模のAI活用動向調査を実施している。その調査結果からは、多くのビジネスリーダーが、AI技術の活用によって明確な価値を生み出すのに苦労していることが分かった。
Deloitte AI Instituteは2022年10月、AI技術活用動向の調査レポート「State of AI in the Enterprise」第5版を公開した。同組織は2022年4月から5月、世界各国のビジネスリーダー2620人に対し、勤務先がどのようにAI技術を導入・活用しているかを尋ねた。
State of AI in the Enterpriseは、AI技術がこれまで以上に企業の基幹業務を支えるようになっていることを示している。調査では回答者の94%が、「AI技術は今後5年間の成功に不可欠」と回答。79%は「勤務先は3種類以上のAIアプリケーションを本格的に導入した」と答えた。
AI技術の導入は、具体的な成果につながっているのか。それを明らかにすべく、Deloitte AI Instituteは回答者に、AI技術に関する取り組みの成果のうち、自社の「達成度が高い」ものを挙げてもらった。同組織が成果の選択肢として用意した項目は「コストの削減」「貴重な洞察の発見」「業務間/部門間のコラボレーションの向上」など19項目だ。
Deloitte AI Instituteの調査では、勤務先で本格的に導入しているAIアプリケーションの数が5種類以上に及ぶにもかかわらず、達成度が高い成果の数が4つ以下にとどまる回答者が、570人に達した。これは全体の22%を占める。State of AI in the Enterpriseは、こうした企業を「失敗企業」(Underachievers)に分類している。
State of AI in the Enterpriseの執筆担当者は、AI技術の活用を始める企業に、ビジネス価値に焦点を当てることを推奨する。Deloitte AI Instituteの調査では、AI技術に関する取り組みの課題として「AI技術のビジネス価値の証明」を最大の課題に挙げた回答者が37%と、最も多かった。
後編は、継続的なAI技術の活用に向けて、ビジネスリーダーが取り組むべきことを探る。
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