画像を生成するAIモデルに対して「生身のアーティストの仕事を奪う」といった批判の声が上がっている。本当にそうなのか。むしろ「AIモデルはアーティストの助けとなる」と主張する専門家の声を紹介する。
「DALL・E」「Midjourney」「Stable Diffusion」といった、画像生成に特化した人工知能(AI)モデルの発展が目覚ましい。アーティストの中には、「将来的にAIモデルがアーティストの仕事の一部を奪う恐れがある」と危惧する人がいる。その認識は本当に正しいのか。
AI技術の倫理問題に関するコンサルティング企業AI Ethics Labの創設者兼ディレクター、カンス・カンサ氏は、画像生成AIモデルがアーティストの役割を変化させることはあっても、アーティストやその作品を駆逐することはないと考える。むしろ「アーティストの貴重さが増す可能性がある」というのが、カンサ氏の考えだ。「人のアート作品はその希少価値から高値が付く一方、AI技術で生成したアート作品(以下、AIアート)にはそれほど高値が付かないことが起こり得る」と同氏はみる。
他人の作品を基にアート作品を創作する――。こうした画像生成AIモデルの仕組みは、そもそも盗用になるのか。例えば人が、新しい画像を作るために画像1000枚を参考にするとする。「この行為が盗用かどうかは、私には分からない」と、ノースイースタン大学(Northeastern University)の経験的AI研究所(Institute for Experiential AI)で研究ディレクターを務めるリカルド・バエサイェーツ氏は指摘する。「参考にする画像が10枚ならば盗用だと言う人でも、1000枚であればその意見は変わる」とバエサイェーツ氏は語る。
AIアートは、アーティストの業務効率化の助けになると、バエサイェーツ氏は指摘する。「アーティストは、エンジニアが何年もかけて開発した画像生成AIモデルに頼ることで、作品の制作時間を節約できる」(同氏)
第4回は、アーティストが実際にAI技術を活用してアート作品を生み出した事例を取り上げる。
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