Meta Platformが公開したAIチャットbot「BlenderBot 3」が物議を醸している。何が起きているのか。インターネットユーザーの声から実態を探る。
Meta Platforms(旧Facebook)は、人工知能(AI)技術ベースのチャットbot「BlenderBot 3」を一般向けに公開。2022年8月5日(現地時間、以下同じ)、公式ブログのエントリ(投稿)で発表した。
BlenderBot 3はMeta Platformsの言語モデル「Open Pretrained Transformer」(OPT-175B)をベースに構築したAIチャットbotだ。インターネットを検索して、あらゆる話題についての会話ができるという。エンドユーザーが増えて対話を重ねることで獲得したデータは、同社がシステム改善のために利用する。
Meta PlatformsによるBlenderBot 3の発表に対して、米国のインターネットユーザーはすぐに反応。BlenderBot 3との会話の内容について、批判的な意見を次々に寄せた。「このAIチャットbotは反ユダヤ主義で、なおかつ元大統領ドナルド・トランプ氏の支持者であり、2020年の選挙の陰謀について言及した」「このAIチャットbotがMeta PlatformsとそのCEOをバッシングしている」など、報道媒体やソーシャルメディアでさまざまな意見が飛び交った。
BlenderBot 3に対する否定的な意見が相次いだことで、Meta Platformsは2022年8月9日に公式ブログを更新。未成熟な状態でBlenderBot 3を公開したことは戦略の一部だと主張した。
Meta Platformsの基礎AI研究マネージングディレクターを務めるジョエル・ピノー氏は、公式ブログのエントリで次のように記した。
これらの攻撃的な反応を見るのはつらいものです。しかしシステムのデモを公開することは、真に堅牢(けんろう)な対話型AIシステムを構築し、製品化の前に存在する課題を明らかにするために重要です
第2回は、Meta PlatformsのBlenderBot 3への姿勢に対する、専門家の見解を紹介する。
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