人格を加えたチャットbotには倫理的な問題があるとの声がある。一方で先行事例の中には、少しずつ成功事例も現れ始めた。スポーツ専門チャンネル「Sky Sports」の事例を紹介しよう。
前編「“不気味の谷”よりも深刻な『人格を備えたチャットbot』が引き起こす問題」で述べたように、企業はチャットbotの返答について、機械学習と自然言語生成(NLG)の成熟度に懸念を抱いている。Microsoftのチャットbot「Tay」の二の舞を演じたいとは考えていない。そこでスポーツ専門チャンネル「Sky Sports」を運営するSky UKは、あらかじめ準備した返答を使うことに決めた。
「企業が市場と関わる方法は、今後AI技術が鍵を握ることになる」と、チャット監視ツールを手掛けるGameOn(GameOn Technologyの名称で事業展開)の共同創設者兼最高製品責任者、ケイリン・スタノジェブ氏は語る。ただしAI技術は非常に新しく、まだ発展途上だ。「ビジネスプロセスのどこにAI技術を適用でき、他の手法の方が優れているのはどの領域かを理解することが重要になる」とスタノジェブ氏は指摘する。
スタノジェブ氏によると、自然言語処理(NLP)がもっと広く受け入れられるには、まずは機械学習の進歩が必要だ。ただしNLPは、ソーシャルメディアへの対応という点では強力な立ち位置を築き始めている。実際に企業のラベルが付いたチャットアカウントよりも、人格を備えたチャットbotとの対話の方が、人は礼儀正しくなることを示す事例がある。それがSkyの事例だ。
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