「VDI」用のインフラとして「HCI」が有力な選択肢になるのはなぜなのか。VDIに適したインフラの要件から、その理由を探る。
在宅勤務などのテレワークを実現する手段となる「VDI」(仮想デスクトップインフラ)を設計する際、特にインフラ面で考慮すべき要素は以下の4つだ。「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)は一般的にこの4つの要素を考慮して設計されているため、VDIを構築するインフラの有力な候補になる。
VDIでは仮想デスクトップのゲストOSとして、一般的にクライアントOS版「Windows」の仮想デスクトップを利用する。仮想デスクトップ配信用サーバの構成は、エンドユーザーが実行するタスクや利用するアプリケーションの種類に応じて変わる。なおAppleのデスクトップOS「macOS」を仮想デスクトップのゲストOSとして導入する組織はほとんどない。
HCI ベンダーの中には、VDI市場を重要視しているベンダーが少なくない。そうしたベンダーはVDIのために事前構成したHCI製品をSKU(Stock Keeping Unit:在庫管理の最小単位)として抱えたり、VDI設計ガイドラインを提供したりすることで、企業のVDI導入を支援している。
Dell EMCとVMwareは「Designs for VMware Horizon on VxRail and vSAN Ready Nodes Validation Guide」と題した、VDIを構築するためのガイドラインを用意している。このガイドラインはVMwareのストレージ仮想化ソフトウェア「vSAN」を搭載したのDell EMCのHCI製品「Dell EMC VxRail」と、VMwareのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Horizon」によるVDIシステム構築を支援するためのものだ。こうしたガイドラインは、VMwareと同様にデスクトップ仮想化ソフトウェアを提供するCitrix Systemsも提供している。
VDI用HCIのリソースをどのように構成するかは、テレワークを実施する従業員の業務特性や人数に応じて変わってくる。リソースを自社のニーズに応じて細かく調整することで、自社にとって最適な形でVDIを運用できるだろう。
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