Lenovoは画面を折りたためるフォルダブル端末「ThinkPad X1 Fold」の販売を開始した。同社はノートPCとタブレットの特徴を兼ね備えた2-in-1端末としての特徴を強調している。主要な特徴を確認しよう。
Lenovoは2020年9月末にフォルダブル(折りたたみ可能な)端末「ThinkPad X1 Fold」の受注を開始した(日本での受注開始は2020年10月13日)。ThinkPad X1 Foldは従来のノートPCの進化形だ。「Windows 10」を搭載し、ディスプレイには折りたためる有機ELディスプレイ(OLED)を採用している。ディスプレイをフルフラットに開くとタブレットのように見え、折り曲げた状態では小型のノートPCに似ている。ThinkPad X1 FoldはノートPCとタブレットの長所を兼ね備えているため、2つを使い分ける必要がなくなると同社は強調する。
ノートPCとタブレットの特徴を兼ね備えた「2-in-1」端末が市場に出回っている。ThinkPad X1 Foldはその一つだ。スマートフォンとタブレットの2つを1台で代替する端末もあるが、LenovoはThinkPad X1 FoldでノートPCとタブレットの代替を狙う。この観点ではMicrosoftの2-in-1端末「Surface Pro」が近い。
調査会社Enterprise Strategy Group(ESG)のアナリスト、マーク・バウカー氏は「メーカーが2-in-1端末に注力していることを考えれば、ユーザーが持ち歩く端末の数がいずれは少なくなる可能性がある」と語る。同時に、IT管理者が理解すべき技術も減りそうだ。
ユーザーはThinkPad X1 Foldをタブレットのように持ったり、本のように開いたり、キックスタンドを立ててデスクに置いたり、折り曲げてノートPCとして使ったりできる。操作には単純な画面タッチの他、画面に表示されるデジタルキーボードや別売の充電式スタイラスペン「Lenovo Mod Pen」を使う。デジタルキーボードが苦手な人は、同梱(どうこん)の無線物理キーボード「Lenovo Fold Mini Keyboard」を使うこともできる。
ThinkPad X1 Foldのディスプレイサイズは13.3型で、折り曲げた状態では2つの9.6型ディスプレイを使える。標準モデルはIntelのプロセッサ「Core i5」、256GBのSSD(ソリッドステートドライブ)、8GBのメインメモリ、500万画素の内蔵カメラ、コネクター規格「USB 3.1」準拠のUSBポート2基を搭載する。最軽量構成の重量は約973グラム。
バッテリー駆動時間は公式には最大約11.7時間となっているが、Lenovoは仕事での利用を前提にした場合は8.5時間だと説明している。「5G」(第5世代移動通信システム)を利用できるモデルや最大1TBのSSDを選択することも可能だ。米国市場での価格は2499ドルからとなっている。
ディスプレイを折りたためる点がThinkPad X1 Foldの特徴として最も目を引く。ディスプレイを折り曲げ始めると「モード切り替えソフトウェア」が起動して、画面にどのようにアプリケーションを配置するかを尋ねてくる。Lenovoによると、ThinkPad X1 Foldは3万回の開閉を含む耐久性テストに合格している。
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