Microsoftは2019年10月に開催した開発者向け年次カンファレンス「Microsoft Ignite」で、OSに「Windows」ではなくGoogleのモバイルOS「Android」を搭載する最新タブレット「Surface Duo」を発表した。同社の2-in-1(ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス)「Surface」製品群の流れをくむ小型の筐体とAndroidを組み合わせたこの新製品に、企業やビジネスユーザーがどのような反応を示すかは未知数だ。いずれにしても企業はSurface Duoを評価し、採用する価値があるかどうかを判断する必要がある。
2020年末発売のSurface Duoは、折り畳み式のデバイスで、Surface製品群の最新モデルだ。大画面が利用できる一方で、折り畳むと片手に収まる。Surface Duoは2枚の5.6型ディスプレイがヒンジで接続されており、開くと8.3型程度の大きさのディスプレイとなる(写真1)。
エンドユーザーはSurface Duoを幾つかのモードで操作できる。最も利用されそうなのが、写真のように2枚のディスプレイを合わせて8.3型相当の画面として使うモードだ。折り畳んでシングルディスプレイのAndroidモバイルデバイスのように使うこともできる。
Surface Duoのような折り畳み式モバイルデバイスの魅力は、スマートフォンとしての携帯性を犠牲にすることなく、より大きな画面が使えることにある。折り畳み式モバイルデバイスの開発ではSamsung Electronicsが先陣を切った。だが同社の「Galaxy Fold」はディスプレイに問題があり、2019年4月に計画していた発売を直前になって延期した。
Huawei TechnologiesやOPPO Electronics、Motorola Mobility、そしてMicrosoftといったベンダーは、先行企業のSamsungが直面した折り畳み式デバイスのハードウェアにおける課題を回避しつつ、Galaxy Foldに似たデバイスの提供に乗り出している。Samsungもその後軌道修正して、折り畳み型デバイスを販売している。
Microsoftは2001年にタブレット向けOS「Windows XP Tablet PC Edition」でタブレット市場に参入を試みた後、2012年にSurface製品群で市場に再参入した。現在、Surface製品群はビジネス用途でも利用できる、広く利用されているタブレットの一つとなっている。Surface Duoは従来のSurface製品群とは異なる路線のデバイスだが、Surface製品群が得てきた信頼とブランドへの認知は、Surface Duoの支持獲得に役立ちそうだ。
MicrosoftはSurface Duoの投入に当たって、生産性を高める多様なアプリケーションを利用でき、安定したOSを組み込んだモバイルデバイスを顧客に提供しようとしている。新しいモバイルデバイスを試したいが、新しいモバイルOSを使うリスクは避けたいと考えるエンドユーザーにとって、Microsoft製デバイスで既存のモバイルOSが使えるSurface Duoは“渡りに船”となる。
エンドユーザーに会社所有のモバイルデバイスを支給する企業は「モバイルデバイス管理」(MDM)製品または「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)製品を使ってデバイスを管理する必要がある。Surface DuoはAndroidデバイスのため、IT部門は既存の管理製品でSurface Duoを管理できる。
Surface Duoは、ディスプレイを折り畳める特徴と、Androidの搭載を売り物にしているが、アウトカメラを搭載しない。これは一部のモバイルユーザーにとって購入のネックになる。ただしこの点は発売までに変更が生じる可能性がある。Microsoftにはまだ、ハードウェアデザインに変更を加える時間があるからだ。
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