HDDに並んで企業向けの主要ストレージになったSSD。ストレージインタフェースに着目して、その使い方を変えようとする動きがある。この先、SSDはどうなるのか。
NAND型フラッシュメモリを搭載するフラッシュストレージの代表格として、SSDはコンシューマー分野でも、データセンター分野でも広く利用されるようになった。HDDの仕様を引き継ぐ限りは、その制約から逃れることができなかったが、それを変える動きがあるという。どういうことなのか。
キオクシアは業界団体Linux Foundationと協力し、ソフトウェア定義の技術によってSSDなどのフラッシュストレージ向けのストレージインタフェースを改善するためのプロジェクトを進める。これには汎用(はんよう)インタフェース規格「PCI Express」(PCIe)と、転送プロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を使用する。HDD向けのストレージインタフェースへの依存を解消し、データセンターにおける用途に応じて、フラッシュストレージをカスタマイズして利用できるようにする狙いだ。
HDDのストレージインタフェースに使われてきたSAS(Serial Attached SCSI)やSATA(Serial ATA)は、SSDのストレージインタフェースとしても使われてきた。ただしSSDの読み書き性能を高めるために、SSDベンダーはPCIeとNVMeに準拠した製品の幅を広げている。「PCIeはストレージインタフェースとして広く使用され、データ転送速度が高速という特性がある」。調査会社TRENDFOCUSのバイスプレジデント、ドン・ジャネット氏はそう語る。
調査会社Coughlin Associatesのプレジデント、トム・カリフン氏も、SSDでPCIeとNVMeを利用するのは理にかなっているとみる。ただし「企業が広く採用するには時間がかかる」とカリフン氏は懸念を示す。
既に市場には、PCIeとNVMeに準拠したさまざまなSSDが存在しているものの、SAS接続のSSDも根強く残っている状況だ。カリフン氏は「SAS接続のSSDにはまだ需要がある。なくなるとしても長い時間がかかる」と予測する。
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