“HDDの呪縛”から「SSD」が解放される日フラッシュメモリ「35年」の進歩と歴史【第4回】

HDDに並んで企業向けの主要ストレージになったSSD。ストレージインタフェースに着目して、その使い方を変えようとする動きがある。この先、SSDはどうなるのか。

2022年11月16日 05時22分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

 NAND型フラッシュメモリを搭載するフラッシュストレージの代表格として、SSDはコンシューマー分野でも、データセンター分野でも広く利用されるようになった。HDDの仕様を引き継ぐ限りは、その制約から逃れることができなかったが、それを変える動きがあるという。どういうことなのか。

SSDを“HDDの呪縛”から解放

会員登録(無料)が必要です

 キオクシアは業界団体Linux Foundationと協力し、ソフトウェア定義の技術によってSSDなどのフラッシュストレージ向けのストレージインタフェースを改善するためのプロジェクトを進める。これには汎用(はんよう)インタフェース規格「PCI Express」(PCIe)と、転送プロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を使用する。HDD向けのストレージインタフェースへの依存を解消し、データセンターにおける用途に応じて、フラッシュストレージをカスタマイズして利用できるようにする狙いだ。

 HDDのストレージインタフェースに使われてきたSAS(Serial Attached SCSI)やSATA(Serial ATA)は、SSDのストレージインタフェースとしても使われてきた。ただしSSDの読み書き性能を高めるために、SSDベンダーはPCIeとNVMeに準拠した製品の幅を広げている。「PCIeはストレージインタフェースとして広く使用され、データ転送速度が高速という特性がある」。調査会社TRENDFOCUSのバイスプレジデント、ドン・ジャネット氏はそう語る。

 調査会社Coughlin Associatesのプレジデント、トム・カリフン氏も、SSDでPCIeとNVMeを利用するのは理にかなっているとみる。ただし「企業が広く採用するには時間がかかる」とカリフン氏は懸念を示す。

 既に市場には、PCIeとNVMeに準拠したさまざまなSSDが存在しているものの、SAS接続のSSDも根強く残っている状況だ。カリフン氏は「SAS接続のSSDにはまだ需要がある。なくなるとしても長い時間がかかる」と予測する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。