フラッシュメモリの一大イベント「Flash Memory Summit」で、SSDやNAND型フラッシュメモリに関するさまざまな発表があった。Optaneの事業終了を含め、専門家が注目したポイントは。
フラッシュメモリのカンファレンス「Flash Memory Summit 2022」では、メモリベンダーからさまざまな話が出た。Intelが不揮発性メモリ「Intel Optane」の事業撤退を明らかにする中、SSDやNAND型フラッシュメモリに関する新しい話題も飛び込んできた。ストレージの専門家が特に注目した点は。
Flash Memory Summit 2022では、メモリベンダーから新製品の発表が相次いだ。より大容量になったSSD、汎用(はんよう)インタフェース規格「PCI Express 5.0」(PCIe 5.0)に準拠したSSDなどがあった。PCIe 5.0準拠のSSDを発表したのはキオクシアとSamsung Electronicsだ。
キオクシアは企業向けのSSD「KIOXIA CM7」のシリーズを発表し、PCIe 5.0準拠のラインアップを拡充した。KIOXIA CM7には、「2.5型」と「EDSFF」(Enterprise and Datacenter Standard Form Factor)の両フォームファクタのモデルがある。3次元(3D)NAND型フラッシュメモリ技術「BiCS FLASH」を採用したことも、KIOXIA CM7の特徴だ。
PCIe 5.0は、まだ十分に市場に浸透しているわけではない。だが調査会社TRENDFOCUSのバイスプレジデントであるドン・ジャネット氏は、キオクシアがPCIe 5.0準拠のSSDに力を入れることには、ある狙いがあるとみる。キオクシアの主要顧客は、いずれは新しいストレージインタフェースに移行することになる。「その際にすぐに検討してもらえるように、早期に製品を発売する戦略だと考えられる」(ジャネット氏)
調査会社Coughlin Associatesのプレジデント、トム・カリフン氏が注目するのは、高速な読み書き性能を備えた不揮発性(電源を失ってもデータを保持する特性)のメモリである、ストレージクラスメモリ(SCM)だ。こうしたメモリにはニッチな需要があるという。Intelが不揮発性メモリ「Intel Optane」(以下、Optane)の事業終了を発表したことから、「『KIOXIA FL6』など、SCMを採用した製品がその穴を埋める可能性がある」とカリフン氏は語る。
読み書きの高速性を売りにしていたOptaneが選択肢から消えることで、それを代替する製品のニーズが生まれる。「特に1つのメモリセルに1bitのみを格納する『SLC』(シングルレベルセル)のNAND型フラッシュメモリを搭載するSSDにビジネスチャンスがある」とカリフン氏は言う。例えばKIOXIA FL6シリーズは、SLCのNAND型フラッシュメモリを搭載することで、読み書き性能と耐久性を追求した製品だ。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
AIなどによるデータドリブンなアプローチが主流となり、データ基盤にはコンテナネイティブな環境への対応が求められている。こうした中、コンテナ基盤を最短4時間で構築でき、大幅なコスト削減も期待できる、次世代データ基盤が登場した。
SSDは高速なだけでなく、大容量化でもHDDを凌駕(りょうが)し始めている。100TB超のSSDが登場する今、ストレージ選定の常識はどう変わるのか。
データ環境の急変は、企業のストレージ課題を複雑化させている。性能や拡張性、データ保護、分散環境の一元管理、コスト最適化など、自社の課題に合わせた製品・サービスをどう見つければよいのか。それに役立つ製品ガイドを紹介したい。
フラッシュアレイ導入を検討する際、既存のリモートストレージデバイスからのデータインポートは気になる点の1つだ。そこで本資料では、最小限のダウンタイムでデータ移行できるフラッシュアレイ/ハイブリッドアレイ製品を紹介する。
近年、企業に蓄積されるデータが爆発的に増加しており、新たなストレージシステムへのニーズが高まっている。そこで、中小規模のニーズをカバーする、フルSSDおよびSSD/HDDハイブリッドのシンプルなブロックストレージを紹介する。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...