IT活用で“ニューノーマル”の人事課題をどう解決するか【前編】
「チャットbot」でコロナ禍の人材獲得を効率化 アパレル企業はなぜ成功した?
COVID-19の発生後、人事部門は従業員エクスペリエンスを新たな方法で支援しようとしている。そうした手段の一つがチャットbotだ。人材獲得にチャットbotがどう役立つのか。アパレル企業の事例と共に紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)によって、企業は「従業員エクスペリエンス」(従業員体験価値)の見直しを余儀なくされている。流行が始まって以来、必要となったビジネスの“ニューノーマル”(新常態)の整備にはITが重要な役割を果たしてきた。その状況は今後も続くだろう。
COVID-19は世界中に広がり、ロックダウン(都市封鎖)も珍しくなくなっている。そうした中、人事部門のリーダーは従業員の安全性確保に取り組み、分散する従業員同士のつながりを支援する必要があった。こうした取り組みに役立つのがITだ。本連載は事例を交えて、人事部門が抱え得る課題と、それを解決するITを紹介する。
防護服製造のアパレルが「チャットbot」で人材獲得を効率化
企業におけるチャットbotの利用はいつ急増しても不思議ではない。調査会社Gartnerの予測によると、2022年までにホワイトカラー労働者の70%がチャットbotを日常的に使用するようになる。
チャットbotは、人事部門 のリーダーにとって特に助けになる。人事部門のリーダーは従業員のライフサイクルにおいて新たな課題に直面していからだ。特に新たな人材獲得には課題がある。
例えば米クリーブランドを拠点とし、難燃性衣類などの作業服を製造/販売するアパレル企業National Safety Apparel は、パンデミックのさなかに従業員を増やす必要が生じた。そのときに利用したのがチャットbotだ。
National Safety Apparelで人事部門のバイスプレジデントを務めるリンジー・デジャルダン氏によると、同社は2020年に、フェースマスクや防護服の需要増大に対処するため従業員を200人から700人に増やした。女性の裁縫担当者を募集するため、同社は採用自動化botの利用を進めたという 。
チャットbotは人のように応募者と対話し、学習することで実際の人の会話を模倣した質疑応答が可能になる。National Safety Apparelの採用担当責任者を務めるモーガン・ファロー氏によると、AI技術を活用したチャットbotを利用する前は、同社は応募者の再審査に数週間かけていた。
HireVueの同名 デジタル面接サービス(旧称「AllyO」)を導入した現在、National Safety Apparelは応募者から連絡のあったその日のうちに面接のスケジュールを決め、1週間以内に仕事の依頼を出せるようになっている。採用担当者が応募者に電話して電話審査を完了したり、面接スケジュールを決めたりする必要もなくなった。これにより同社は採用プロセスを円滑化し、採用にかかる応募者1人当たりのコストを20%削減できた。
中編「『キャリアの不透明さ』が退職理由の5割 電機大手は『AI』で状況をどう変えたか」はAI技術の活用で、人材流動性向上の課題を解決しようとした企業の事例を紹介する。
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