マッキンゼーが分析「AIが使われる理由」と「AIの懸念」コンサルが注目する技術トレンド【前編】

コンサルティング会社McKinseyの技術トレンド分析レポートは、注目すべき技術として人工知能(AI)技術を取り上げた。レポートを基に、AI活用が広がった背景や課題を紹介する。

2022年11月04日 05時00分 公開
[Cliff SaranTechTarget]

 コンサルティング会社McKinsey & Companyが2022年8月に公開したレポート「Technology Trends Outlook 2022」は、主要な技術トレンドを14個取り上げた。このレポートは、同社のスタッフと、約70人の著名な科学者や起業家、研究者により構成されるチームMcKinsey Technology Councilが実施した調査に基づいている。

 本稿はMcKinseyがレポートで取り上げる技術の一つである人工知能(AI)技術について、活用が広がった背景と、今後の活用を拒む課題を紹介する。

「AI活用」を推進する要因と、阻害する要因

 McKinseyは、以下の指標を用いて技術トレンドを分析した。

  • 特許出願
  • 出版物
  • ニュースによる言及
  • オンライン検索のトレンド
  • 民間投資額
  • 投資企業数

 「技術トレンドに目を向けた際に印象深いのは、各技術があらゆる業界にもたらす影響力の大きさだ」とMcKinseyはレポートで述べている。同社は、技術開発は今後、かつてない速度で進み、科学から工学までさまざまな分野に影響を及ぼすと予測。複数の技術の組み合わせによる、イノベーション(技術革新)が生み出す乗数効果にも期待を寄せている。

 技術トレンド分析の中で、McKinseyが存在感を示す技術として挙げているのが、AI技術だ。同社でパートナーを務めるジャコモ・コルボ氏は「AI技術とアプリケーションの統合を簡素化する仕組みと、AI関連の各種ツールの成熟により、さまざまな分野におけるAI活用が進んだ」と話す。自社にAIエンジニアが限られた人数しかいない、もしくは全くいない企業でもAI技術を利用することが可能になった。

 反対に、以下の要素は企業のAI活用を阻む可能性がある。

  • 人材や資金などのリソースが限られていること
  • データリスクや脆弱(ぜいじゃく)性をはじめとした、サイバーセキュリティへの懸念

 一方で企業のステークホルダー(利害関係者)は、企業が責任を持ち信頼できる方法でAI技術を使用できるかどうかについて、懸念を示す場合がある。論点となるのは以下のような事項だ。

  • データガバナンス
  • データの公平性や公正性
  • データの説明可能性

 これらの論点を受け、AI技術の研究や応用に影響を及ぼす規制やコンプライアンス要件が出てくる可能性があるとレポートは指摘する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 ServiceNow Japan合同会社

7つのユースケースで探る、リスク/コンプライアンス管理の課題と解決策

企業がビジネス規模を拡大し、サプライチェーンやビジネスパートナーとの協業が進んだことで従来型のリスク/コンプライアンス管理の限界が露呈しつつある。リスク管理を次のステップに進めるためには、これまでと異なる仕組みが必要だ。

事例 ServiceNow Japan合同会社

1年で顧客離脱率が20%低下、Lenovoは自社サービスの価値をどう高めたのか?

Lenovoでは、顧客デバイスのライフサイクル管理を支援するDevice as a Serviceを世界中に提供している。しかし、そのオペレーションは複雑であり、顧客エクスペリエンスを高めるために改善が必要だった。同社が採った改善策とは。

製品資料 LRM株式会社

“惰性”から脱却して効果を上げる、年間を通じたセキュリティ教育計画の立て方

セキュリティリスクが増大している今日において、社内のセキュリティ教育は必須のタスクとなっている。しかし、セキュリティ教育それ自体が目的化してしまい、確実な効果を上げられていないケースも多い。

製品資料 LRM株式会社

進化するサイバー攻撃に対応、セキュリティ教育を見直すための3つのポイント

日々進化するサイバー攻撃から自社を守るためにも、時代の変化やトレンドに応じてセキュリティ教育を見直すことが必要だ。その実践ポイントを「目的の再確認」「教育の実施状況の分析」「理解度・定着度の測定」の3つの視点で解説する。

製品資料 株式会社ブレインパッド

DX推進を見据えた「データ活用人材」を社内で育てるための効果的な方法とは?

データ活用人材を社内で育成するためには、「DX推進者」や「分析実務者」などの役割に応じたスキル定着が欠かせない。効果的な育成を行う方法として、あるデータ活用人材育成サービスを取り上げ、その特徴や事例を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/05/10 UPDATE

  1. 縲靴OTS縲阪€隈OTS縲阪�蝓コ譛ャ逧�↑驕輔>縺ィ縺ッ�溘€€謾ソ蠎懈ゥ滄未縺ョIT蝓コ遉守畑隱�
  2. 窶懈・ュ蜍吝柑邇�喧縺ョ繝励Ο窶昴↓縺ェ繧後k縲後ン繧ク繝阪せ繝励Ο繧サ繧ケ邂。逅�€搾シ�BPM�峨�隱榊ョ夊ウ��シ縺ィ縺ッ
  3. 蟄蝉シ夂、セ蛻、螳壼渕貅悶�謔ゥ縺セ縺励>蝠城。�
  4. 辟。髢「菫ゅ〒縺ッ縺�i繧後↑縺�€€2025蟷エ縺ォ譁ス陦後&繧後k隕∵ウィ諢上↑繝�ず繧ソ繝ォ隕丞宛縺ィ縺ッ
  5. 繝薙ず繝阪せ繝励Ο繧サ繧ケ繝槭ロ繧ク繝。繝ウ繝茨シ�BPM�峨�窶懷ア樔ココ蛹悶�蝪岩€昴�繧医≧縺ェ莨夂、セ縺ォ縺薙◎蠢�ヲ�
  6. 2025蟷エ縺ョ荳也阜IT謾ッ蜃コ縺ッ縲�9���髟キ縲阪€€蠖ア繧定誠縺ィ縺吮€應ク榊ョ芽ヲ∫エ�窶昴→縺ッ��
  7. 縲瑚」ス蜩�幕逋コ縺碁≦縺�€阪€檎┌鬧�b螟壹>縲阪r隗」豎コ縺吶k莠コ縺ォ縺ェ繧後kBPM縺ョ隱榊ョ夊ウ��シ縺ィ縺ッ
  8. 縲沓CP縲阪€後し繧ケ繝�リ繝薙Μ繝�ぅ繝シ縲阪€窪SG縲阪�窶懷挨迚ゥ窶昴〒縺ッ縺ェ縺�シ�
  9. 繧ス繝輔ヨ繝悶Ξ繝シ繝ウ縺ィ繧、繝ウ繝輔か繝吶ャ繧ッ縲ヾFA縺ィERP繧帝€」謳コ縺輔○縺溷�驛ィ邨ア蛻カ蟇セ蠢懊た繝ェ繝・繝シ繧キ繝ァ繝ウ繧呈署萓�
  10. 謾ケ豁」莨夊ィ亥渕貅悶€碁€€閨キ邨ヲ莉倅シ夊ィ医€阪r逅�ァ」縺吶k�亥燕邱ィ��

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。