米国の宅配ピザチェーン「Jet's Pizza」は、HungerRushの自動電話システムを全店舗に導入した。インターネットでの受注が当たり前になる中、同社が電話を重視した理由は。
米国ミシガン州を中心に約400店舗の宅配ピザチェーン「Jet's Pizza」を運営するJet's Americaは、HungerRushの自動電話システム「OrderAI Talk」を試験的に導入し、70店舗で電話botを運用した。2021年12月から2022年3月まで試験運用を実施し、この間に従来の電話注文ではなく電話botを利用した顧客には割引を提供。その後、Jet's AmericaはOrderAI Talkを全店舗に導入した。
Jet's Americaの最高情報責任者(CIO)兼最高データ責任者(CDO)、アーロン・ニルソン氏によると同社は、飲食業界向けにさまざまなクラウドサービスを提供するHungerRushと、もともと取引関係があった。そのことから、Jet's AmericaはOrderAI Talkの試験運用を始めた。当時HungerRushはOrderAI Talkのβテストをしているところだった。
2019年にJet's Americaに入社したニルソン氏は、Jet's Pizzaの店舗で利用する販売システムの数を削減したいと考えた。ニルソン氏がHungerRushのシステムを使い続けることを決意したのは2つの理由があった。複数の店舗オーナーがHungerRushのシステムを気に入っていたこと。そして「HungerRushは注文システムのデジタル化に関する知見がある」とニルソン氏が理解していたことだ。
ニルソン氏は、飲食業向けテキスト・音声注文システムベンダーOrderAIをHungerRushに紹介した。その後HungerRushは、2020年にOrderAIを買収した。「OrderAI Talkは、電話注文を好む顧客のための仕組みだ」と同氏は説明する。Jet's Pizzaの顧客の中でも、電話注文を好む層は「かなりの割合を占める」(同氏)。だが店舗スタッフにはピザ作りに集中してもらいたいので、電話応対から解放したかったという。
OrderAI Talkの電話botが受けた注文内容は「ほぼ正確だ」とニルソン氏は評価する。しかし注文が間違っていたというクレームが寄せられたことも「確かにあった」と同氏は話す。
後編は、店舗運営の効率化に役立ったOrderAI Talkの機能を解説する。
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