Intelは、「Optane」の製品群でメモリの“ある課題”を克服することを狙っていた。その意図は、NAND型フラッシュメモリを搭載するSSDの台頭を想起させるものだった。
より高速で安価にシステムを動かしたい、というニーズはいつの時代も変わらない。これに応える不揮発性メモリ「Intel Optane」(以下、Optane)の事業は、終わりを迎える。NAND型フラッシュメモリやSSD、HDDの利用における問題を克服していこうという、壮大な構想に基づくメモリだった。
Intelは、2004年ごろに始まった変化を再現するためにOptaneを設計した。2004年ごろ、NAND型フラッシュメモリの価格がDRAM(Dynamic Random Access Memory)の価格を下回ることが一般的になった。これによって、NAND型フラッシュメモリを搭載したSSDをサーバに組み込み、価格を抑制しつつ、データの読み書き速度を上げることが可能になった。SSDを追加すれば、DRAMの数とサーバ台数を抑制して、データ読み書きの性能を追求できる。
別の言い方をすると、SSDはDRAMとHDDの間にあった大きなギャップを埋めた。SSDがその構造にぴったりはまったのだ。データセンターにおいて、急速にSSDは“重要なコンポーネント”となっていった。
Intelが”SSDの台頭”を再現しようとして着目したのは、DRAMとSSDの間のギャップを、新しいメモリ技術で埋めることだった。新興のメモリ技術としては、「磁気抵抗メモリ」(MRAM)、「相変化メモリ」(PCM)、「抵抗変化型メモリ」(ReRAM、RRAMとも)、「強誘電体メモリ」(FeRAM、FRAMとも)などがある。
こうした新興メモリのほとんどは、DRAMよりもメモリセル(記録領域の最小単位)のサイズが小さいため、DRAMよりも製造コストが下がることが期待できる。それに加え、NAND型フラッシュメモリと同じく不揮発性(電源を失ってもデータを保持する特性)でありつつ、NAND型フラッシュメモリよりもデータ読み書きが高速になりやすい利点もある。これはIntelがメモリとストレージの間に追加したいと考えていたことだった。
Intelは1960年代からPCMの研究を続けてきた。その技術が2000年代に入ってからのIntelの戦略にうまくはまることになった。PCMの技術を基にしたOptaneを、Intel製のプロセッサでのみ動作できるようにする。そうすれば長期にわたって競合ベンダーとの差別化が図れる――と同社は判断した。
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