無線LANの“オープンソース”化を目指すプロジェクト「OpenWiFi」に参画している企業の一社が、ネットワークベンダーのBoingo Wirelessだ。同社がプロジェクトの一環として開発した製品の“すごさ”とは。
無線LAN用のソフトウェアをオープンソースにして、通信事業者などの企業がネットワーク構築をしやすくする――。こうした目的のために、無線通信技術の普及団体Telecom Infra Project(TIP)が進めるプロジェクトが「OpenWiFi」だ。OpenWiFiの参画企業の一社でネットワークベンダーのBoingo Wirelessは、同プロジェクトで培った技術やノウハウを生かした製品開発に取り組んでいる。その製品の可能性とは。
2021年5月に発足したOpenWiFi。プロジェクトの目的は、企業での利用に適した無線ネットワークの構築と実用化の新しい方法を考えることだ。OpenWiFiは無線LAN用のソフトウェアをオープンソースで開発することと、テスト手法を自動化することを採用。通信事業者が特定のベンダーに縛られず、無線LANアクセスポイント(AP)やクラウドコントローラー(クラウドサービスで一元的に運用管理するツール)、通信分析ツールを導入できるようにすることを目指している。
OpenWiFiのプロジェクトの一環として、Boingo Wirelessは同業のActiontec Electronicsとともに、「Wi-Fi 6E」に準拠したAPを開発し、提供している。Wi-Fi 6Eは、標準規格「IEEE 802.11ax」を基に業界団体Wi-Fi Allianceが定めた、無線LAN規格「Wi-Fi 6」の拡張版だ。このAPは、NetExperienceのクラウドコントローラーを採用している。
Boingo Wirelessによれば同社のWi-Fi 6E準拠APは、OpenWiFiのプロジェクトで培った技術を使い、Web会議や映像配信、ゲーム、メタバース(巨大仮想空間)といった、大容量データの送受信が必要な用途を想定して設計されている。同社CTO(最高技術責任者)のデレク・ピーターソン氏は「OpenWiFiはクラウドサービスやソフトウェア、ハードウェアを統合し、ネットワーク構築法を簡素化する。これはユーザー企業が無線ネットワークを柔軟に拡張できるようになるための一翼を担っている」と話す。
OpenWiFiで無線LAN活用の促進を図るプロジェクトグループ「Wi-Fi solution」の共同議長を務めるチェタン・ヘバラエ氏は「Boingo WirelessはOpenWiFiの技術やノウハウを利用して、初めての大規模なWi-Fi 6Eネットワークの商業化を実現した」と語る。今後はAR(拡張現実)といった技術との相互運用性の確保にも取り組み、Wi-Fi 6Eネットワークの活用の幅を広げる方針だ。
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