プログラミング言語Goが抱える「構造化ロギング」の問題とは? その解決策はGoogleが考える「Go」の未来【第2回】

Googleはプログラミング言語「Go」には、ログに関する“ある問題”が存在するという。それは何なのか。解決策として同社が提唱する手段とは。

2023年01月16日 10時00分 公開
[Stephanie GlenTechTarget]

関連キーワード

Google | プログラミング


 2022年11月、Googleはオンラインイベント「Go Day 2022」を開催。そこでは同社の従業員が、自社開発のプログラミング言語「Go」の改良計画を発表した。Goに関する主な改良計画のうち、2つ目を紹介する。

2.ログにまつわる“あの問題”の解消

 構造化データ形式でログを取得する「構造化ロギング」。そのライブラリ(プログラム部品群)の一つである「slog」を「Goの標準ライブラリにする可能性がある」と、Googleのソフトウェアエンジニアであるジョナサン・アムステルダム氏は説明する。

 Goは「logrus」「zap」といった、さまざまな構造化ロギング用ライブラリを利用できる。そのためログの形式に一貫性を持たせることが難しい問題がある。slogをGoの標準ライブラリにすることで、この問題の解決を目指すという。

 配車アプリケーションベンダーBeatのシニアエンジニアリングマネージャーであるソティリス・マニサリス氏は、Goがslogを標準ライブラリとして導入することを以前から予想していた。「slogの標準ライブラリ化で、Goのログ形式が統一されることを期待している」とマニサリス氏は語る。ビジネスレビューサイトYelpのフルスタック(複数分野に精通した)エンジニアであるジョツナ・ゴーラレ氏は、slogの標準ライブラリ化の見込みに「感銘を受けた」と話す。


 第3回は、Goのデバッグ(エラー修正)用の仕組みである「GODEBUG」の改良計画と、それに対する開発者の声を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news083.jpg

生成AIで美容業界の未来を創造 エスティ ローダーとマイクロソフトがAIイノベーションラボを設立
両社は消費者とのつながりを強化し、より迅速かつ効果的な市場投入を実現することを目的...

news014.png

ドメイン変更によるSEOへの影響とは? メリットとリスクおよび失敗しない手順
ドメインはWebサイトの現住所を表し、それ自体がWebサイトの看板の役割も果たします。今...

news054.jpg

「Threads」が月間アクティブユーザー1億5000万人を突破 今後Xを追い抜くための最善策は?
Metaはイーロン・マスク氏率いるTwitter(当時)の対抗馬として2023年7月にリリースした...