プログラミング言語「Go」のなぜか話題にならない“あの機能”とは?Googleが考える「Go」の未来【第1回】

Googleはプログラミング言語「Go」をどのように進化させようとしているのか。主な計画の一つが、安全なプログラム開発を支援する“ある機能”の改良だ。それは何なのか。

2023年01月12日 10時45分 公開
[Stephanie GlenTechTarget]

関連キーワード

Google | プログラミング


 プログラミング言語「Go」を公開した2009年以来、Googleは定期的にアップデートを繰り返してきた。2022年公開の「Go 1.18」では、データの型に依存しない汎用(はんよう)的な関数を記述する「ジェネリクス」が可能になった。

 2022年11月開催のオンラインイベント「Go Day 2022」では、GoogleのエンジニアがGoの将来について議論し、今後の主な改良計画に言及した。それぞれの詳細と、実際にGoを扱う開発者の見解を取り上げる。

1.安全な開発を可能にする“あの機能”の改良

 Googleが改良を検討している分野の一つが「ファジング」だ。ファジングは、プログラムの操作を自動実行して、バグを発見するテスト手法を指す。Go Day 2022の講演に登場した、同社のシニア開発者リレーションズエンジニアであるコーディ・オス氏は、質疑応答で「プリミティブ(プログラミング言語が標準で提供する基本のデータ型)以外についても、Goでファジングを実行できるようにする可能性がある」と述べた。こうしたファジングが実現すれば、開発者はより状況に応じたテストが可能になる。

 ITサービスコンサルティングベンダーCodenotaryに務めるバルトロミエ・シュビエッキ氏は、Goのファジング機能は「ソーシャルメディアであまり話題に上っていない」と指摘。「Goプログラムの開発者は、Goのファジング機能を過小評価している」と、シュビエッキ氏は持論を展開する。

 シュビエッキ氏は、Goで開発したオープンソースのデータベース「immudb」のコア開発者だ。「Goのファジング機能によりimmudbのセキュリティを高められるのは喜ばしく、改良が待ち遠しい」(同氏)


 第2回は、ログに関するGoの改良計画と、開発者の反応を取り上げる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news190.jpg

YouTube広告の実店舗売り上げへの貢献を計測 インテージが「Sales Impact Scope」を提供開始
インテージがYouTube出稿による小売店販売への広告効果を計測するサービスを提供開始した...

news160.jpg

2025年のデジタル広告業界の展望 日本のマーケターの優先メディアと課題は?
IASは、2025年におけるデジタル広告業界の主要なトレンドについて掘り下げたレポート「Th...

news026.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年1月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。