新時代の「バックアップ」はこう変わるバックアップツールの将来動向【第1回】

ITの進化に伴い、バックアップツールに求められる機能も変化している。企業向けバックアップツールは今後どう変わるのか。

2023年01月18日 05時00分 公開
[Stephen PritchardTechTarget]

 バックアップツールには、ITのさまざまな変化と共に進化してきた歴史がある。これからのバックアップツールには何が求められるのか。本稿は、企業向けバックアップツールが今後どう変化するのかを考える。

これから「バックアップ」はどう変わるのか

 今後、バックアップツールは複雑化するデータ保護に適応しなければならない。次のような技術が台頭したことで、データが生成および保存される仕組みが複雑化しているためだ。

  • コンテナ
    • アプリケーションの実行環境を仮想化
  • マイクロサービスアーキテクチャ
    • 複数のサービスによって1つのアプリケーションを構成
  • マルチクラウド
    • 複数のクラウドサービスを活用
  • ハイブリッドクラウド
    • オンプレミスインフラとクラウドサービスを組み合わせて利用

 他にも、バックアップツールに強い影響を与える動きがある。近年はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃が広がったことで、企業は

  • 「WORM」(Write Once Read Many:書き込み1回、読み込み複数回)機能を持つ光ディスクやテープ
  • オフサイト(システムが稼働する場所とは別の場所)でのバックアップの保管

などに目を向けている。バックアップをオフサイトに保存することで本番システムとバックアップを物理的に隔離する「エアギャップ」を設けることは、ランサムウェアからバックアップを保護する方法の一つだ。


 第2回以降は、バックアップツールのベンダー複数社への取材を基に、データ保護の領域が今後どのように進化すると考えられるのかを紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。