バックアップの新しい手法、「継続的データ保護」(CDP)は企業にさまざまなメリットをもたらす。どのようなものなのか。ランサムウェア対策としてのCDP活用法を紹介する。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の活発化とともに、定期的なバックアップの実施が重要になっている。企業が“気軽”にできるバックアップ手法として「継続的データ保護」(CDP:Continuous Data Protection)がある。企業がCDPの採用によって得られるメリットをまとめる。
CDPは、データの更新に応じて分単位でバックアップを実施し、バックアップ作業の時間や手間を減らせるのが特徴だ。CDPはさまざまな用途があり、特にランサムウェア攻撃に備えた対策として有効だと考えられる。企業はCDPにより、暗号化されたファイルをランサムウェア攻撃前の状態に戻すことができるため、復元作業の手間を減らせるからだ。そう考えれば、ためらいがちなバックアップの実施に乗り出しやすくなる。
時間単位ではなく、分単位でバックアップの実施が可能な点も、CDPのメリットだ。そのため企業はCDPを活用することで、ランサムウェア攻撃を受けた際の目標復旧時点(RPO)を短くすることができる。これは、特に大容量のデータを抱えている企業にとって大きなメリットになると考えられる。
CDPは、ストレージの負荷軽減にもつながる。初回の設定時に1回、全データのバックアップを実行し、その後はファイルの更新や削除といった変更点のみをバックアップするからだ。そのためストレージに大きな負荷がかかるのは、初回だけになる。企業では重要性が低い、古いデータがストレージの容量の大半を占有していることがある。その場合、企業はCDPを使って、変更のあるデータだけをバックアップすれば、必要な容量を大幅に減らせる。
後編は、CDPのデメリットに焦点を当てる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
全国2万以上の保育/教育施設で職員の業務を支援するためのクラウドサービスを運営しているコドモン。ユーザー数の増加に伴いシステムの安定運用が課題になっていたという同社は、どのように監視体制の強化を進めたのだろうか。
AIプラットフォーマーとしてさまざまなサービスを展開しているAI inside。同社は、サービスの安定運用を実現するために監視体制の強化に着手する。同社がどのようなツールを導入して取り組みを進めたのか、本資料で解説する。
「Windows 11」は従来の「Windows」と比較して、システム要件が厳しいとの声がある。具体的には何が違うのか。そもそもWindows 11への移行に意味はあるのか。
「Windows 10」のサポート終了が迫る中、移行に関する幾つかのハードルや誤解からまだ「Windows 11」に移行できていない組織がある。移行を円滑に進めるために押さえておくべき点とは。
マルチテナント型SaaSの開発・運用に当たっては、ID・アカウント管理を適切に設計・実装していくことが不可欠だ。その理由を確認しながら、ID・アカウント管理で求められる要件や構築のポイントを解説する。
NECの社内ITが運用の「サイロ化・属人化」から脱却できた“決め手”とは? (2025/6/12)
生成AI時代のPCの選び方 価格だけでは見えない「AI PC」の価値とは (2025/5/15)
デザイン性も機能性も“インカム越え”? 進化した接客用連絡ツールの特徴は? (2025/4/14)
低コストで障害の原因を容易に特定、アプリ監視を改善する注目手法とは (2025/4/8)
DX推進に向かうにはまず守りの業務の改善から (2025/3/6)
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...