バックアップの新しい手法、「継続的データ保護」(CDP)は企業にさまざまなメリットをもたらす。どのようなものなのか。ランサムウェア対策としてのCDP活用法を紹介する。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の活発化とともに、定期的なバックアップの実施が重要になっている。企業が“気軽”にできるバックアップ手法として「継続的データ保護」(CDP:Continuous Data Protection)がある。企業がCDPの採用によって得られるメリットをまとめる。
CDPは、データの更新に応じて分単位でバックアップを実施し、バックアップ作業の時間や手間を減らせるのが特徴だ。CDPはさまざまな用途があり、特にランサムウェア攻撃に備えた対策として有効だと考えられる。企業はCDPにより、暗号化されたファイルをランサムウェア攻撃前の状態に戻すことができるため、復元作業の手間を減らせるからだ。そう考えれば、ためらいがちなバックアップの実施に乗り出しやすくなる。
時間単位ではなく、分単位でバックアップの実施が可能な点も、CDPのメリットだ。そのため企業はCDPを活用することで、ランサムウェア攻撃を受けた際の目標復旧時点(RPO)を短くすることができる。これは、特に大容量のデータを抱えている企業にとって大きなメリットになると考えられる。
CDPは、ストレージの負荷軽減にもつながる。初回の設定時に1回、全データのバックアップを実行し、その後はファイルの更新や削除といった変更点のみをバックアップするからだ。そのためストレージに大きな負荷がかかるのは、初回だけになる。企業では重要性が低い、古いデータがストレージの容量の大半を占有していることがある。その場合、企業はCDPを使って、変更のあるデータだけをバックアップすれば、必要な容量を大幅に減らせる。
後編は、CDPのデメリットに焦点を当てる。
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