ランサムウェア攻撃が後を絶たない中、企業にとって定期的なバックアップ実施の重要性が高まっている。“気軽にできる”バックアップの手法として「継続的データ保護」(CDP)がある。何なのか。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の対象は、業種や規模を問わない。ランサムウェア攻撃を受けた際に、被害を最小限に抑える手段の一つとして、定期的なバックアップの実施がある。バックアップ製品の導入は決して安価ではない。ただし身代金の支払いをはじめとした他の復旧手段と比べたら、バックアップはコスト面も含めて悪い選択肢ではない。
バックアップのありがたさは、実際にランサムウェア攻撃を受けてシステムが使えなくなった経験がないと実感しにくい。そのため企業はバックアップの重要性を認識しつつも、IT予算の中でバックアップへの投資を後回しにする可能性がある。ランサムウェア攻撃が勢いづく中、バックアップ導入に踏み切るにはどうすればいいのか。
もともとバックアップの実施は、企業にとってある種の「大イベント」だった。バックアップの黎明(れいめい)期には重複するデータを排除する技術がなく、テープをはじめとした外部ストレージに大量のデータを書き込む作業に、非常に時間がかかっていたからだ。重複排除技術を使ってバックアップの作業時間を短縮できるようになったものの、それでもなお企業は、バックアップの実施を「気が重い作業」と捉える傾向がある。
バックアップに新風を巻き起こしているのが「継続的データ保護」(CDP:Continuous Data Protection)の手法だ。CDPは、所定の時間にバックアップを取得する手法とは異なる。
CDPは、ファイルの更新や削除といったデータの変更を常に監視し、データ変更に応じてバックアップを実施する。バックアップ作業の時間や手間を減らせる。CDPをうまく活用するには、そのメリットとデメリットを知ることが重要だ。
中編は、CDPのメリットを紹介する。
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