クラウドサービスを利用していると、想定以上に利用料金が高くなることがある。その原因の一つが、クラウドベンダーが課す「エグレス料金」だ。エグレス料金とは何なのか。なぜ払わなければならないのか。
「エグレス料金」は、クラウドサービスを利用するときに見積もりにくいコストだ。エグレス料金の見積もりが不十分だと、瞬く間にクラウドサービスのコストが膨れ上がる可能性がある。
極端にエグレス料金が高額になり、アプリケーションをクラウドサービスからオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」の検討が必要になることは珍しくない。予想外のエグレス料金に直面したユーザー企業は、クラウドサービスの利用に消極的になり得る。
クラウドベンダーは、ユーザー企業がクラウドサービスにデータをアップロードする際の料金を無料にしている場合がある。しかし大抵、特定のクラウドサービスから外部のインフラにデータを移動させるとエグレス料金が掛かる。クラウドサービスからデータが出て行く「エグレス」に対して発生する料金をエグレス料金と呼ぶ。
インフラ間のデータの転送にはネットワークを利用するため、クラウドベンダーにとってはネットワークの維持・運用コストが掛かる。エグレス料金には「クラウドストレージで保管されているデータを別のインフラに移動することに関係する、全てのコストが含まれる」と、調査会社Freeform Dynamicsのトニー・ロック氏は説明する。そのためエグレス料金は、単なるデータのダウンロード料金を意味するわけではない。
ユーザー企業が、あるクラウドサービスから他ベンダーのクラウドサービスにデータを移動させる場合には、基本的にはエグレス料金が掛かると考えた方がよい。同一ベンダーのクラウドサービスであっても、利用するリージョン(地域データセンター群)やアベイラビリティゾーン(リージョン内のデータセンター)を変える場合に、エグレス料金が掛かることがある。
「データを検索する目的で、ユーザー企業がストレージからメモリにデータを移動させる際に、エグレス料金を課すクラウドベンダーもある」とロック氏は警告する。クラウドベンダーによっては、SaaS(Software as a Service)からデータをダウンロードする場合にエグレス料金を課金することもある。
第2回は、クラウドサービスのエグレス料金が高くなる理由を詳しく掘り下げる。
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