クラウドサービスで扱うデータ量が増大したときに注意すべきなのは「エグレス料金」だ。利用料金が高額になるのを防ぐには、どのような対策を講じればよいのか。
企業が生成するデータは増大を続けている。必要以上にクラウドサービスを使っているユーザー企業は、使い方を見直した方がよい。クラウドサービスから外部のインフラにデータを送信(エグレス)するときに、料金がかかるからだ。前編「“クラウド破産”の真犯人? 『エグレス料金』を無視できない理由」に続く本稿は、エグレス料金を抑えてクラウドサービスを利用するための戦略を説明する。
クラウドサービスの使い方を変えるには、クラウドサービスで動くアプリケーションがどのようなコスト要素を含んでいるかを理解することが重要だ。
アプリケーション開発にIT部門のインフラチームが携わる場合、インフラチームが意思決定の場に参加することは意味がある。アプリケーションのデータ転送の仕組みがエグレス料金に与える影響について、開発チームの担当者が理解できるように、インフラチームは設計の変更内容を精査し、助言する必要がある。
保管するデータの可用性や動画データの品質を低くすることで、エグレス料金を抑えることもできる。何年にもわたって完全なデータにすぐにアクセスできることや最高画質の動画が必要ないのであれば、こうした方法が有効だ。多少の不便が生じるとしても、システムへの負荷とクラウドサービスの利用料金の両方を減らすことができる。
コストを最小限に抑えるには難しい選択が必要になることがある。これはクラウドサービスのコストと利便性のバランスを取る取り組みのため、判断を誤る可能性もある。最適な決断をするには、IT部門の担当者同士の密な情報交換や、意思決定に参加する全員との議論が必要になる。
現場の人材の意見はまとまりにくいものだ。それでも、あらゆる観点から知見を得れば妥協点が見つかる。クラウドサービスの利用料金や料金体系は変動することがあるため、クラウドベンダーの動向に常に注目しておくことも必要だ。
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