クラウドの“無駄遣い”を招く「エグレス料金」を抑える方法クラウドの「エグレス料金」を管理する方法【後編】

クラウドサービスで扱うデータ量が増大したときに注意すべきなのは「エグレス料金」だ。利用料金が高額になるのを防ぐには、どのような対策を講じればよいのか。

2021年12月21日 05時00分 公開
[Brian KirschTechTarget]

 企業が生成するデータは増大を続けている。必要以上にクラウドサービスを使っているユーザー企業は、使い方を見直した方がよい。クラウドサービスから外部のインフラにデータを送信(エグレス)するときに、料金がかかるからだ。前編「“クラウド破産”の真犯人? 『エグレス料金』を無視できない理由」に続く本稿は、エグレス料金を抑えてクラウドサービスを利用するための戦略を説明する。

クラウドの「エグレス料金」を抑えるために、IT担当者は何をすべきか

 クラウドサービスの使い方を変えるには、クラウドサービスで動くアプリケーションがどのようなコスト要素を含んでいるかを理解することが重要だ。

 アプリケーション開発にIT部門のインフラチームが携わる場合、インフラチームが意思決定の場に参加することは意味がある。アプリケーションのデータ転送の仕組みがエグレス料金に与える影響について、開発チームの担当者が理解できるように、インフラチームは設計の変更内容を精査し、助言する必要がある。

 保管するデータの可用性や動画データの品質を低くすることで、エグレス料金を抑えることもできる。何年にもわたって完全なデータにすぐにアクセスできることや最高画質の動画が必要ないのであれば、こうした方法が有効だ。多少の不便が生じるとしても、システムへの負荷とクラウドサービスの利用料金の両方を減らすことができる。

 コストを最小限に抑えるには難しい選択が必要になることがある。これはクラウドサービスのコストと利便性のバランスを取る取り組みのため、判断を誤る可能性もある。最適な決断をするには、IT部門の担当者同士の密な情報交換や、意思決定に参加する全員との議論が必要になる。

 現場の人材の意見はまとまりにくいものだ。それでも、あらゆる観点から知見を得れば妥協点が見つかる。クラウドサービスの利用料金や料金体系は変動することがあるため、クラウドベンダーの動向に常に注目しておくことも必要だ。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...