信用調査会社Experianが自社システムをAWSのクラウドサービスに移行することを決めた。同社はなぜAWSを選択し、業務の何を変えようとしているのかを探る。
信用調査会社Experianは2023年4月、クラウドベンダーAmazon Web Services(AWS)を「優先的なパートナー」に指名したと発表した。同社のシステム群をAWSの同名クラウドサービスに移行する。Experianはこの発表の以前からAWSのユーザーだった。同社はAWSを優先的なパートナーに選定することで、今後どのような取り組みを強化するのか。
ExperianのCTO(最高技術責任者)を務めるジョー・マナ氏はAWSを利用する理由について、顧客向けの金融サービスをより分かりやすくし、より迅速に顧客に情報を提供し、よりセキュリティを強固にするためだと説明する。
マナ氏によると、ExperianはDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める一環で、データに基づいて意思決定を下す取り組みを加速させる。同社の顧客がより多くの情報に基づいて、より賢明に、金融に関わる意思決定を下すための新サービスを提供するためだ。
AWSを優先的に利用する理由として、マナ氏はAWSが一連の機能を拡充し続けている点を挙げる。「顧客が自身の財務状態を把握できるようにすると同時に、誰もが平等に金融サービスや商品を利用することができる『金融包摂』を実現するのにもAWSのサービスが役立つ」(同氏)
ExperianはDXの取り組みにおいて、AWSのデータ分析や機械学習のサービスを利用することも検討しているという。同社の顧客の動向から新たな洞察を獲得し、そのデータを用いて新たな製品やサービスを開発する。開発後はAWSの支援の下で、迅速な市場投入を目指す。
AWSでワールドワイド金融サービス事業開発部門のマネージングディレクターを務めるスコット・マリンズ氏は次のように語る。「ExperianはAWSのサービスを活用することで、データから新たな洞察や予測をより迅速に得られるようになり、同社のサービスが充実する」。Experianのサービスが充実すれば、企業や消費者は自身の財務状況を管理し、財務の健全化を図れるようになるとマリンズ氏はみる。
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