「Wi-Fi 6」と「OpenRoaming」がイベント集客につながる“なるほどの理由”Wi-Fi 6とOpenRoamingで変わるイベント【後編】

イベント会場においては電気と同じくらいWi-Fiが重要なインフラだ。一部のイベントでは、Wi-Fi 6による複数接続の安定性および高速大容量性と、OpenRoamingによるシームレスな認証が集客力につながり始めている。

2023年06月14日 05時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 オランダの国際展示場であるRAIアムステルダムコンベンションセンターは、無線LANローミングの仕組みである「OpenRoaming」を、同センターで開催されたWi-Fi関連技術の国際イベント「Wireless Global Congress EMEA」で初めて導入した。

 OpenRoamingは「Wireless Broadband Alliance」(WBA)によるWi-Fi相互接続基盤。同イベントでは、Cisco SystemsをはじめとしたWBAのメンバー企業が協力してユーザーに提供した。ユーザーはIDを1度認証すれば、OpenRoamingが導入されている公衆Wi-Fiに、再度サインインをする必要なく接続できる。どのような成果があったのか。

4日で1万8000人がシームレスに認証

 Wireless Global Congress EMEAが開催された4日間で、延べ1139人以上のユーザーが、ユーザー名やパスワードの必要なく、OpenRoamingのネットワークに自動接続できた。4日間のデータ通信量は1TBを超えた。WBAによれば無線LAN規格「Wi-Fi 6」の機能が貢献し、円滑にWi-Fiを提供できたという。Wi-Fi 6は複数のデバイスに安定して接続を提供する。

 2023年2月、Cisco Systemsは同社のユーザー向け年次イベント「Cisco Live Europe」をRAIコンベンションセンターで開催した。同イベントでは、1万8000人を超える参加者がOpenRoamingによるWi-Fiを利用している。参加者は4日間のイベントを通じて、OpenRoamingネットワークに平均6時間滞在し、77TBを超えるデータを利用している。

 このOpenRoaming によるWi-Fiには、複数の通信事業者のSIMやデバイスベンダーのIDが認証に利用できた。「WBAのOpenRoamingは、複雑なユーザー名やパスワードを必要としないでシームレスに無線ネットワークに接続し、セキュリティが確保される方法を提供する」。そう語るのは、Cisco Systemsで無線担当の最高技術責任者(CTO)を務めるマット・マクファーソン氏だ。

 カンファレンスや見本市などのイベントでは、Wi-Fiが電気設備と同じぐらい重要なインフラになる。RAI AmsterdamでIT部門のマネジャーを務めるブレット・バース氏は、今回の導入について次のように語る。「Wi-Fi 6とOpenRoamingにより、高品質の接続が常時利用可能になる」

 WBAのCEOティアゴ・ロドリゲス氏は次のように補足する。「RAIアムステルダムコンベンションセンターは、OpenRoamingを活用してセキュリティが確保される便利でシームレスな接続を提供することで、集客力のあるイベントをいかに誘致できるかを示す例になる」

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