廃止となった「Heroku」無償プランの移行先となり得るのが、有償プランだ。Salesforceは無償プランを利用していたHerokuユーザーの受け皿となり得る、比較的安価な有償プランを用意している。その内容とは。
「Heroku」はSalesforceが提供するPaaS(Platform as a Service)群だ。同社はこれまで、Herokuの一部サービスについて無償プランを提供してきたものの、2022年11月に廃止した。
無償プランを利用していたアプリケーション開発者や開発チームが、そのままHerokuサービスを使い続けるには、有償プランへの切り替えが必要になる。無償プランに大きく依存していたHerokuユーザーにとっては、予算内で快適にHerokuサービスの機能を使い続ける方法を検討することが重要だ。
Salesforceは、無償プランを提供していたコンテナ「dyno」やデータベースサービスの「Heroku Postgres」「Heroku Data for Redis」を継続利用したいHerokuユーザー向けに、各サービスの安価な有償プランを用意している。その内容を整理しよう。
現時点でdynoの最も安価な有償プランである「Eco」では、毎月1000dyno時間(dynoの稼働時間)を1カ月当たり5ドルで利用できる。Ecoは契約日にかかわらず、毎月1日の更新だ。毎月2日目以降にEcoプランを利用開始しても、その月は満額の5ドルが掛かる。
Ecoの1000dyno時間の枠は、そのアカウントがEcoで利用している全てのdynoで共有する。そのためEcoは実験用途や、利用量が限られたアプリケーションの実行に適している。
dynoの2番目に安価な有償プランである「Basic」は、Ecoよりも多くの機能を利用できる。小規模なプロジェクトに適している。Basicの料金は1時間当たり0.01ドルで、dynoが年中無休で稼働する場合は月に最大7ドル掛かる。
Heroku Data for RedisとHeroku Postgresには、安価な有償プラン「Mini」がある。Heroku Data for RedisのMiniは月額上限料金3ドルで、小規模プロジェクトやアプリケーションのコンセプトデザインに向く。Heroku PostgresのMiniは月額上限料金が5ドルだ。
基本的なHerokuサービスは、おおむね利用しやすい月額料金になっている。有償プランには利用方法や料金に関する規定があり、契約する前にしっかりと確認することが必要だ。無償プランが廃止になったことから分かるように、有償プランは突然変更になる可能性がある。
Herokuサービスの無償プランを利用していたユーザー企業は、各サービスの安価な有償プランに移行するだけではなく、代わりとなる無償のPaaSに移行することも可能だ。第4回以降は、Herokuの代替となり得る幾つかの候補を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...