無線LAN「IEEE 802.11be」(Wi-Fi 7)より面白い“次に来る無線通信”は何?無線LANの未来はどうなる?【中編】

無線LANは利用可能な周波数帯が加わることでより利用しやすくなる。ただし企業にとって今後必要なネットワーク技術は、無線LANばかりではない。

2023年08月21日 05時00分 公開
[Lee BadmanTechTarget]

関連キーワード

無線LAN | Wi-Fi | ネットワーク


 無線通信の分野で昨今起きた変化の一つを挙げるとすれば、無線LAN規格「IEEE 802.11ax」に6GHzの周波数帯が追加された点だ。この周波数帯は、無線LANの次期規格でも使われる見込みで、注目の動きであることに間違いない。ただしそれよりも、他の無線通信技術に注目するネットワーク管理者もいる。

IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)より面白い「無線通信」の現状

 IEEE 802.11axは、無線LANの業界団体Wi-Fi Allianceによる製品認証プログラムの名称では「Wi-Fi 6」または「Wi-Fi 6E」になる。6GHzの周波数帯を追加するのはWi-Fi 6Eの仕様だ。6GHzは、次期規格である「IEEE 802.11be」(Wi-Fi Allianceの製品認証プログラムでは「Wi-Fi 7」)の仕様にも含まれる。

 無線LANは従来、周波数帯としては2.4GHz帯か5GHz帯を使用するのが一般的だった。6GHz帯が追加されることで、無線LANが利用可能な周波数帯は一気に広がる。電波利用の混雑や干渉といった、2.4GHz帯や5GHz帯を利用する際に発生しがちな課題が、6GHz帯を利用する際に解消されるかどうかは分からない。ただしネットワーク機器やクライアント端末のベンダーが適切にこの周波数帯を扱うことで、無線LANに大革命を起こす可能性を秘めていることは確かだ。

 興味深いことに、クライアント端末のベンダーは、無線LAN管理者が以前から知っていたことに気付きつつある。全てのデバイスの接続が、必ずしも無線LANに適しているわけではないことだ。

 無線LAN以外にも、「5G」(第5世代移動通信システム)を専有ネットワークとして利用する「プライベート5G」がある。他にも、長距離通信が可能な無線WAN(WAN=ワイドエリアネットワーク)、60GHzなどのミリ波、1000MHz以下の免許不要の周波数帯なども無線通信の選択肢になる。

 例えば1000MHz以下の免許不要の周波数帯では、特定用途のデバイスが開発され、個々の用途でそれぞれの通信技術の利点を生かしている。無線LAN管理者は今後、無線LANだけではなく他の無線通信技術も、選択肢として念頭に置くようにした方がよい。


 後編は、テレワークを前提にして無線LANを利用する際に考慮すべき点を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...