Gartnerによると2022年のIaaS市場は、全体としては好調を継続した。ただし主要クラウドベンダーの成長には明確な“明暗”があった。その実態とは。
調査会社Gartnerは2023年7月、2022年のIaaS(Infrastructure as a Service)市場の動向を発表した。IaaS市場の成長が続いていることに変わりはないが、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Alibaba Group、Google、Huawei Technologiesといった主要クラウドベンダーの成長には“明暗”があった。
Amazon Web Services(AWS)の2022年のIaaS関連の売上高は約481億ドルと、2021年比で36.0%増加した。市場シェアは40%を占め、前年に続き首位を維持した。
Microsoftの市場シェアは21.5%で2位となり、売上高は約256億ドルで前年から35.0%増加した。中国の大手クラウドベンダーAlibaba Groupは7.7%の市場シェアで3位となった。だが同社の売上高は約93億ドルで前年比2.4%増にとどまり、成長率はAWS、Microsoft、Google、Huawei Technologiesを含む大手クラウドベンダー5社の中で最も低かった。
Googleは7.5%の市場シェアで4位だったが、売上高は前年比41.0%増の約91億ドルと、大手クラウドベンダー5社の中で最大の成長率を示した。Googleの収益が伸びた背景には、以下の要因がある。これらの取り組みにより顧客基盤が拡大した。
Gartnerでバイスプレジデントアナリストを務めるシド・ナグ氏は、「第4四半期(10月〜12月)に市場の成長が落ち込んだものの、2022年全体のIaaS市場は想定以上に好調だった」と話す。成長が鈍化した背景には、顧客が新しいサービスの導入よりも、利用を確約したリソースの活用に注力したことがあるという。
ナグ氏によると、IaaS市場の成長は今後も続き、2024年には成長が加速する見込みだ。IaaS市場には今後の成長余地がまだある。
後編は、IaaS市場の今後の動向について解説する。
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