なぜ「普通の無線LAN」にしなかった? クリケット競技場がOpenWiFiを使う訳スタジアム内でのデータ活用も

南アフリカのスタジアムが「OpenWiFi」を活用して無線LANを構築した。無線LANによるネットワークを構築した目的と、OpenWiFiを使った理由とは。

2024年03月05日 08時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 南アフリカのクリケットスタジアムSupersport Parkは、スタジアムにおける観戦体験を向上させることやビジネス機会の創出につなげることを目的として、スタジアムに無線LANを構築した。同スタジアムの無線LAN構築は、無線通信技術の普及に取り組む業界団体Telecom Infra Project(TIP)が進める無線LANのプロジェクト「OpenWiFi」の一環として進められた。

単なるネット接続だけじゃない「OpenWiFi」活用の狙いとは

 別名「SuperSport Centurion」「Centurion Park」でも知られるSupersport Parkは、2万人を収容可能だ。南アフリカのクリケットチームMultiply Titansが同スタジアムを本拠地として、クリケットの国際試合を定期的に開催している。

 今回の無線LAN構築プロジェクトには、南アフリカのネットワークベンダーPMD Group of Companiesが参加。インドのITベンダーHFCLの子会社IO by HFCLが、無線LAN機器の設置からネットワークの構築までを担当した。無線LANの管理ツールベンダーWavespotは、無線LANから取得するデータを分析するための仕組みを提供している。

 Supersport Parkで最高執行責任者(COO)を務めるサミュエル・プリンスルー氏は、OpenWiFiを通じた無線LAN構築の目的について「最高のスポーツ体験を提供するという当スタジアムのミッションにおける重要なマイルストーンだ」と評する。プリンスルー氏によると、同スタジアムは無線LANを介して収集したデータを以下に活用している。

  • 特定の顧客をターゲットにしたサービスや商品の販売促進
  • 試合の経過や選手の情報など、観客が求める情報のリアルタイム配信

 2021年5月に発足したOpenWiFiには、300社以上の企業が参加している。OpenWiFiは無線LAN用のソフトウェアをオープンソースで開発し、テスト手法を自動化できるようにしている。OpenWiFiの目的は、特定のベンダーの機器や技術に縛られることなく、無線LANのアクセスポイント(AP)やコントローラー、分析ツールを利用できるようにすることだ。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...