バックアップの高速化はデータ保護の観点で重要だ。バックアップが遅くなる背景には、企業が見落としがちな3つの要因が存在する。効率的なバックアップ運用のためには、何に注目すべきなのか。
企業にとって、バックアップはデータ保護に欠かせないIT戦略だ。だがバックアップの最適化は容易ではない。バックアップの速度や効率性の向上のためには、どのような点に注意を払うべきなのか。バックアップ管理者が見落としている可能性のある、バックアップ遅延の6つの原因のうち、4〜6つ目を紹介する。
バックアップする必要のないファイルをバックアップから除外し忘れることはありがちだ。典型的な例を挙げよう。「Windows」が稼働するサーバは、数GBや数十GBのスワップファイルを抱えている場合がある。スワップファイルとは、システムのメインメモリが不足した際、一時的にデータを保存するためにローカルストレージに作成されるファイルのことだ。このような積極的にバックアップする必要性が薄いファイルを、バックアップ対象にしたままになっているかどうかを確認しよう。適切なデータ管理とバックアップすべきファイルの把握によって、バックアップシステムへの負担を軽減できる。
バックアップの遅延には、データを送信する瞬間に圧縮する「オンザフライ圧縮」が有効な場合がある。ファイルを圧縮してから転送する方法は、バックアップ遅延の改善に役立つことがある。
ただしファイル圧縮がバックアップ遅延を完全に解決するわけではない。ファイルを圧縮するとストレージを節約できるが、データ復元時にCPUやメモリの負荷増大、復元時間の増加といった問題を引き起こす可能性もある。
ファイル圧縮はCPUに負荷がかかる処理だ。バックアップ管理者は、圧縮するデータを選別することでこの問題を軽減できる。一部の動画や画像フォーマットなど、すでに圧縮されているファイルは、バックアップ段階で圧縮する必要はない。こうしたファイルを除外することによってCPUを節約し、ファイルの不要な劣化を防ぐことができる。
使用するバックアップツールの種類によっては、エージェントソフトウェアをバックアップ対象のシステムにインストールする必要がある。バックアップ管理者は、バックアップツールがバックアップから除外するファイル、最大CPU使用率、圧縮に関する設定を理解することで、バックアップに使用するシステムリソースを節約し、バックアップの遅延を防ぐのに役立つ。
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