バックアップデータをオンプレミスのストレージとクラウドストレージのどちらに保存するかは、企業にとって悩ましい問題だ。それぞれの長所と短所の他、両者を組み合わせた「ハイブリッド型のバックアップ」について解説する。
バックアップデータの保存先として、オンプレミスのストレージとクラウドストレージのどちらを選ぶべきかで悩む企業は一定数存在する。それぞれのメリットとデメリットは何か。両者のメリットを生かすハイブリッド型のバックアップと併せて紹介する。
「企業にとってオンプレミス型のバックアップのメリットは、自社が定めるバックアップと復旧の要件を満たしやすいことだ」。こう話すのは、Oracleで製品管理担当シニアディレクターを務めるティモシー・チェン氏だ。
チェン氏はクラウド型のバックアップの課題を幾つか挙げる。まずデータの容量が大きくなるほど、復旧までに要する時間「目標復旧時間」(RTO)が長くなりがちだ。データレジデンシー(データの保管場所)に関する要件も課題になることがある。企業は、本番データとバックアップデータをオンプレミスに置くことを要件として定めている場合があるからだ。
オンプレミス型のバックアップを採用しても、自然災害や人為的ミスによって機密データを失うリスクは避けられない。オンプレミスにストレージやシステムを導入するためには、一般的には初期費用とメンテナンス費用が必要になる。一方でクラウド型のバックアップは、一般的には設備投資とメンテナンスが不要であるため、その分のコストを抑えることができる。
リスク対策強化とコスト削減を模索する企業が目を向けるのが、オンプレミスのストレージとクラウドストレージを組み合わせるハイブリッド型のバックアップだ。「オンプレミスとクラウドサービスのインフラが混在する複雑なインフラを運用する企業にとって、ハイブリッド型のバックアップはバックアップ失敗のリスクを回避することに役立つ」とシア氏は話す。
第5回は、クラウド型のバックアップを補完する機能について詳しく解説する。
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