バックアップの基本「3-2-1」と「クラウド」の活用法 その利点とは?クラウド時代のバックアップ【第2回】

企業のバックアップにおいて「3-2-1ルール」の採用が広がる中で、クラウドサービスの重要性が高まりつつある。クラウドサービスが重要になる背景には、何があるのか。

2023年09月18日 05時15分 公開
[Aaron TanTechTarget]

 近年、さまざまな企業がバックアップの「3-2-1ルール」を採用するようになった。バックアップツールベンダーCommvault Systemsで東南アジア諸国連合(ASEAN)、日本、韓国、中国本土担当ソリューションエンジニアリング責任者を務めるダニエル・タン氏は、「3-2-1ルールにおいて、クラウドサービスが重要な役割を果たすようになっている」と話す。背景に何があるのか。

クラウドサービスがなぜ「3-2-1ルール」で重要なのか

 一般的に3-2-1ルールは、本番データ以外に2つ以上のコピーを作成し、データの保管には2種類の記録媒体を使い、バックアップのコピーの1つは本番拠点とは異なる拠点に置くことを意味する。「迅速に復旧できるようにしつつ、特定の機能の停止によってシステム全体が止まってしまう『単一障害点』(SPOF)を回避することに役立つ」とタン氏は述べる。

 企業が3-2-1ルールを採用するに当たって、近年重要な役割を果たすようになっているのがクラウドサービスだ。企業がクラウドサービスを評価する主な理由は、複数のリージョン(データセンターが存在する地域)やゾーン(リージョンを細分化した単位)を使って冗長性を確保したり、リソースの拡張性を確保したりできるからだ。

 例えば企業は、バックアップデータを定期的にクラウドサービスに転送し、ネットワークを切り離すことで、他のシステムから隔絶してデータの安全性を確保する「エアギャップ」を設けることが可能だ。これにより、サイバー攻撃からデータを効果的に保護できる。

 「クラウドサービスは、3-2-1ルールを採用する企業にさまざまな選択肢を提供する」と話すのは、ストレージベンダーNetAppでアジア太平洋地域のクラウドアーキテクチャ担当CTO(最高技術責任者)を務めるマット・スインボーン氏だ。例えばイテレーション(短期間で繰り返す開発サイクルの単位)を実施しやすくすることにもクラウドサービスが役立つという。

 他にも、バックアップの保存先にクラウドサービスの2つの異なるデータセンターを使用すれば、異なるコントロールプレーン(制御機能)を使用でき、管理方法を分離できる。管理者権限を複数に分けることは、サイバー攻撃からの保護を強化することにつながる。


 第3回は、3-2-1ルールが一段と重要になりつつある背景を解説する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news035.jpg

低迷するナイキやアディダスを猛追する「HOKA」の “破壊的”ブランディングとは?
ランナーの間で好感度が低迷しているNikeに対し、ディスラプター(破壊的企業)として取...

news051.jpg

新紙幣の発行、3社に1社が日本経済に「プラスの影響」と回答――帝国データバンク調査
20年ぶりの新紙幣発行は日本経済にどのような影響を及ぼすのでしょうか。帝国データバン...

news196.png

WPPとIBMが生成AIを活用したB2Bマーケティング領域で連携
IBMのビジネス向けAIおよびデータプラットフォームである「watsonx」の機能を「WPP Open...