アプリケーションをクラウドサービスからオンプレミスインフラに移行させるときは、データやアプリケーションの損失が起こらないようにバックアップを確実に取る必要がある。その際に何に注意すればよいのか。
企業はさまざまな理由から、クラウドサービスに移行させたアプリケーションをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」を検討することがある。脱クラウドの作業は、細心の注意を払って進めることが必要だ。具体的には、どのように進めればよいのか。脱クラウドの8つのステップのうち、3つ目と4つ目を説明する。
クラウドサービスにホストするアプリケーションがデータを生成していたり、クラウドサービスにデータを保管したりしている場合、それらのデータをバックアップする必要がある。バックアップの方式は、データの保存方法によって異なる。例えばクラウドサービスのデータベース管理システム(以下、クラウドデータベース)に保管しているデータについては、スナップショット(ファイルやストレージの状態の記録)を取得する。クラウドストレージのデータは、外部ストレージにコピーすることになる。
オンプレミスインフラに戻した後のアプリケーションで採用するバックアップ製品と、クラウドサービスのバックアップ機能との互換性があるかどうかを確認することも必要だ。クラウドデータベースやクラウドストレージを利用している場合、オンプレミスインフラへの移行後に、自社で運用可能な同等のバックアップ製品がないことがある。このような場合は、バックアップデータの変換といった作業が必要になる。
アプリケーションのバックアップ方法は、アプリケーションの構築方法によって異なる。コンテナで動作するコンテナアプリケーションは、コンテナを構成するファイル群であるコンテナイメージごとオンプレミスインフラに移行できる。仮想マシン(VM)で稼働するアプリケーションをバックアップするには、まずはVMのスナップショットを取得。その後、スナップショットをオンプレミスインフラで実行できる形式に変換する。
第4回は、脱クラウドの8つのステップのうち、5つ目から8つ目のステップを説明する。
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