「リモートデスクトップ」を実行していると、急に黒い画面になって接続先のWindowsを操作できなくなることがある。この問題の原因を特定し、解消するための対処法とは。
「Windows 11」をはじめ、クライアントOS「Windows」が搭載する「リモートデスクトップ」は、遠隔からPCのデスクトップを可能にする機能だ。Windows 11のリモートデスクトップの使用中、黒い画面(ブラックスクリーン)が表示されると、デスクトップを操作できなくなる。この問題は、IT管理者やヘルプデスク担当者にとっては優先的に解消すべき事項だ。
手元で操作するPCの場合、再起動するとブラックスクリーンが解消する場合がある。だがリモートデスクトップでは、接続元のクライアントデバイスを再起動しても接続先のマシンの問題は解消できない。どうすればいいのか。リモートデスクトップでブラックスクリーンが発生する6つの原因と対処方法を取り上げる。
Windows 11のリモートデスクトップで問題を引き起こす原因の一つが、Microsoftの更新プログラム「Windows Update」だ。接続先のマシンがWindows Update を実行すると、リモートデスクトップサービスが中断されることがある。その場合、アップデートが完了し、リモートデスクトップサービスが再開されるまでは、リモートデスクトップに黒い画面が表示されることになる。
最新のWindows Updateを適用し、Windows 11を最新状態に保つことには利点がある一方で、新しいバージョンのアップデートは予期しない問題を引き起こす場合があることにも留意しなければならない。IT管理者は、リモートデスクトップに影響を与える問題が生じる危険性を考慮して、アップデートを配布する前にテストする必要がある。
グラフィックスドライバーが原因で、リモートデスクトップに問題が起きることがある。NVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)といった半導体製品ベンダーの公式フォーラムには、リモートデスクトップ使用時にドライバーがクラッシュする問題の報告が寄せられており、ベンダーは解決策の迅速な提供に取り組んでいる。IT管理者が実施できる対処は、ドライバーの問題を素早く診断することだ。リモートデスクトップを利用するときは、ホストマシンとクライアントデバイスの両方でグラフィックスドライバーを最新状態にしておく必要がある。
ただし、グラフィックスドライバーを更新すると、ホストマシンやクライアントデバイスが正常に動作しなくなる恐れがある。そのため、実運用を始める前に新しいバージョンのグラフィックスドライバーをテストすることは不可欠だ。
リモートデスクトップ接続時の通信速度や処理速度は、ネットワークの品質に大きく左右される。リモートデスクトップ中に接続が切れると、再接続試行時に黒い画面が表示される可能性がある。
接続の問題が起きるのを避けるには、無線LANを利用せずに、イーサネットなどの有線LANを介してインターネットに接続するようエンドユーザーに指導することが有効だ。無線LANしか利用できないのであれば、エンドユーザーが強力かつ安定したWi-Fi接続にアクセスできるようにする。エンドユーザーはオンラインの速度テストを利用することで、いつでも接続をテストすることができる。デバイス監視ツールを使うと、エンドユーザーのデバイスを監視し、利用している無線LANの情報を確認できる。
次回は、4〜6つ目の対処法を紹介する。
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