クラウド管理や構築の経験をある程度積んだクラウド技術者が、次に目指すべき資格とは何か。本稿はクラウドアーキテクトに関連する資格と、ベンダーに依存しないクラウド認定資格を詳しく説明する。
ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの構築からセキュリティ対策に至るまで、クラウドインフラの構築や管理の全要素を担うのがクラウドアーキテクトだ。本稿はAmazon Web Services(AWS)とGoogleが提供するクラウドアーキテクト向けの認定資格と、ベンダーにとらわれない、より幅広いクラウドサービスに関する知識を証明するための認定資格を取り上げる。
AWSは、同社のクラウドサービスを用いたクラウドインフラの設計や構築、問題解決の経験が2年以上あるクラウドアーキテクト向けに、認定資格の「AWS Certified Solutions Architect - Professional」(SAP-C02)を提供している。知識は、パフォーマンス、コストの最適化、セキュリティに重点を置いている。この資格は、現在のクラウド設計の重要な部分である自動化のスキルや知識を重点的に取り上げている。
項目 | 内容 |
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試験費用 | 300ドル |
試験時間 | 180分 |
問題数 | 75問(複数選択式) |
最低合格点 | 750点 |
AWSはSAP-C02試験の公式試験ガイドを提供している。
Googleは、組織のクラウド設計に長けた人材のための認定資格として「Professional Cloud Architect」を提供している。試験は、効果的なクラウドサービスの利用計画や設計、プロビジョニングの方法を問う。プロセスの最適化やセキュリティとコンプライアンスの要件を満たした設計、容量管理などの能力も評価される。Googleが提供する試験ガイドによると、多くの問題は特定のケーススタディーに焦点を当てている。同社は受験の前に、クラウドサービス群「Google Cloud」を使ったクラウドインフラの管理や設計の経験を1年以上含む、IT業界の経験を3年以上積むことを推奨している。
項目 | 内容 |
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試験費用 | 200ドル |
試験時間 | 120分 |
問題数 | 50〜60問(複数選択式) |
最低合格点 | 非公開 |
認定資格の受験者はたいてい、AWSやMicrosoft、Googleなど、自社で利用するクラウドベンダーの認定資格を選ぶ。マルチクラウドを推進する企業で働く人や、クラウドベンダーにとらわれない、より包括的な知識やスキルを必要とする人にはどのような資格が役立つのか。このような人には、CompTIAの「CompTIA Cloud+」(CV0-003)が適している。
CompTIAは、IT認定資格の分野を主導する業界団体の一つだ。IT運用に関する幅広い知識を問う「CompTIA A+」やネットワーク技術者向けの「CompTIA Network+」、セキュリティの知識を問う「CompTIA Security+」などの認定資格を提供している。
CompTIA Cloud+は、ベンダーに依存しない、全てのクラウドインフラやクラウドサービスに共通するスキルや知識を評価する。一般的なクラウドの概念やクラウドネットワーク、ストレージ、セキュリティ原則などを学びながら、認定資格に備えるとよい。試験問題には選択肢式の問題に加え、画面上で設定やトラブルシューティングを実践するパフォーマンスベーステストが含まれる。
項目 | 内容 |
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試験費用 | 369ドル |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 90問(単一・複数選択式の設問とパフォーマンスベーステスト) |
最低合格点 | 750点 |
CompTIAは3年周期で認定資格の出題範囲を見直し、大規模な改訂をしている。2024年夏には、新しいCloud+の試験内容が発表される。試験対策の参考書や問題集は、CompTIAとサードパーティーの学習サービスベンダーの両方が提供している。
第5回は、事業部門や経営層向けのクラウド認定資格を取り上げる。
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