リアルユーザーモニタリング(RUM)とは【後編】
ユーザー行動の監視でUXが向上 見落とされがちな「最後にやるべきこと」とは
「リアルユーザーモニタリング」(RUM)ツールを利用することで組織はさまざまなメリットを得られる。しかし、導入や運用に当たって注意すべき点もある。どのようなことなのか。RUM実践ガイドをお届けする。
エンドユーザー向けのWebサイトやアプリケーションを運用する組織にとって、ユーザー体験(UX)の向上は重要な課題だ。UXの向上に有効なのが、ユーザーの行動を監視する「リアルユーザーモニタリング」(RUM)という手法だ。RUMの具体的なユースケースや有用な分野、最適な実施方法とは何か。RUMへの取り組みを成果につなげるためのチップスをまとめた。
RUM実施で、最後にやるべきことはこれだ
併せて読みたいお薦め記事
連載:リアルユーザーモニタリング(RUM)とは
Webサイト運用のポイント
まず、RUMツールを使うことで実現可能になることを整理しよう。
- Webサイトやアプリケーションのページ読み込み時間を測定
- 異なる地域からWebサイトやアプリケーションを利用した際のレイテンシ(遅延)を測定
- Webサイトやアプリケーションに各種Webブラウザと互換性があるかどうかを把握
- Webサイトやアプリケーションを訪問している個々のユーザー行動を追跡
これらのユースケースを踏まえると、RUMツールは以下の分野で有用だ。
- eコマース(EC:電子商取引)
- RUMで得たデータを使い、販売サイトでのUXの向上を図る
- モバイルアプリケーション
- さまざまなデバイスからアプリケーションにアクセスした際のパフォーマンスを測定し、デバイスによる違いを洗い出す
- マーケティング
- ユーザー経路を追跡し、コンバージョン(商品購入や会員登録など、企業が目指す目標達成)を高めるための施策を検討、実施する
では、RUMに取り組むに当たってのベストプラクティスを見てみよう。
- 目標と戦略を明確に
- RUMには多様なメリットがあるが、自社での目標に合わせてRUMを「何のために」「どのように」使用するかを定めることが重要だ
- 「KPI」(重要業績評価指標)を特定
- RUMツールはWebサイトやアプリケーションの使いやすさやパフォーマンスに関してさまざまな指標を提供する。組織は、どの指標に重点を置くかを決定する必要がある。
- 開発、運用との統合
- ユーザー行動に関する情報を取得するためには、Webサイトやアプリケーションにコードを組み込む必要がある。そのコードが期待通りに機能しているかどうかを定期的に確認することも大切だ。そのために、開発や運用の担当者と密に連携することが欠かせない
- 行動を起こす
- 最後には、RUMによるデータ分析を踏まえ、UXを向上させるために具体的なアクションを起こすことが重要だ
主なRUMツール
- Akamai Technologies「mPulse」
- Cisco Systems「AppDynamics Browser Real User Monitoring」
- 同社「Splunk Real User Monitoring」
- Datadog「Real User Monitoring」
- Dynatrace「Real User Monitoring」
- New Relic「Real User Monitoring」
- Raygun「Real User Monitoring」
- Sematex Group「Sematext Experience」
UXを高めることは今後もますます重要になるとみられる。さまざまなデバイスや通信環境を利用した快適なアクセスを実現することは顧客満足度の向上に直結する。RUMツールは認知度が高まりつつあり、今後、導入が広がる可能性がある。
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