サーバのパフォーマンス低下の原因がネットワークにある場合、それをいかに素早く特定できるかが鍵となる。今回はトラフィックの状態や負荷の原因を明らかにするためのユーティリティーを取り上げる。
システムが「遅い」と感じたとき、意外な落とし穴となるのがネットワークの帯域幅やトラフィック(ネットワークを流れるデータ)の問題だ。「Linux」搭載サーバの運用において、ネットワークの状況をリアルタイムに把握し、帯域幅を圧迫している要因を特定することは、安定運用に不可欠だ。
第3回となる今回は、「iftop」「iptraf-ng」「nethogs」「ntopng」など、ネットワークの帯域幅やトラフィックの状態を視覚的に監視できるユーティリティーを紹介する。
Linuxサーバ上のトラフィック(ネットワークを流れるデータ)のフローを調べ、ネットワークにパフォーマンスのボトルネックが発生していないことを確認するには、以下のユーティリティーを使用する。
「iftop」ユーティリティーでリアルタイムのネットワーク監視を実行する。1つまたは複数のネットワークインタフェースに焦点を当て、IPアドレスとポート番号で識別される転送レートを収集できる。帯域幅を大量に消費するプロセスを特定し、ネットワークの輻輳(ふくそう)をトラブルシューティングする。
基本的な使用法:「iftop」(全てのインタフェースでの基本的な監視)
基本的な使用法:「iftop -i eth0」(インタフェース「eth0」を特定して監視)
「iptraf-ng」コマンドは、「ICMP」(インターネット制御メッセージプロトコル)、「TCP」(伝送制御プロトコル)、「UDP」(User Datagram Protocol)など、プロトコルごとのネットワークトラフィックとインタフェースの統計を表示する。標準的なトラフィックに加えて、ネットワークインタフェースの障害や誤設定を診断するのに役立つエラーも表示する。最良の結果を得るには出力をフィルタリングするとよい。必ず「iptraf」ユーティリティーではなく、「iptraf-ng」をインストールして使用すること。
基本的な使用法:iptraf-ng -i eth0(インタフェース「eth0」を特定して監視)
「nethogs」ユーティリティーは、ネットワーク帯域幅を消費するプロセスをリアルタイムで監視する。有線および無線インタフェースで動作する。
基本的な使用法:nethogs
「ntopng」コマンドを実行して、包括的なネットワークトラフィックキャプチャーを記録する。動画共有サイト「YouTube」やファイル共有ソフトウェア「BitTorrent」などのトラフィックタイプを識別する。コンプライアンス(法令順守)とセキュリティを維持するためのアラートを提供する。ソースコード共有サービス「GitHub」からオープンソースアプリケーションをインストールすることで、基本的な監視機能の利用を開始することができる。
基本的な使用法:ntopng
ユーザーは、「tcpdump」や「Wireshark」などのパケットキャプチャーや分析ユーティリティーがパフォーマンス監視にとって重要であることに注意すべきだ。これらは広範なパケットヘッダ情報も含め、ネットワーク上のトラフィックを正確に表示する。「ss」コマンドは、サーバへの現在の接続を表示する。
次回の第4回は、システム全体を統合的に把握するためのユーティリティーを紹介する。
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