LinuxではCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークの全てを包括的に監視できるユーティリティーも存在する。今回は「atop」や「glances」などシステム全体を統合的に把握するためのユーティリティーを紹介する。
システム全体のパフォーマンスを正しく把握するには、CPUやメモリ、ストレージ、ネットワークの各リソースを個別に監視することも重要だが、それだけでは十分ではない。複数のリソースが相互に影響し合う中で、全体を俯瞰して見られる「統合型ユーティリティー」が必要だ。
第4回となる今回は、「atop」や「glances」といった統合型監視ツールの特徴を紹介しつつ、どのような場面で活用すべきか、ユーティリティー選定時のポイントについても解説する。
多くの包括的な監視ユーティリティーは、4つのサブシステム全てに関する情報を統合している。例えば、「atop」と「glances」は、システムの健全性とパフォーマンスの完全な状態を提供するユーティリティーだ。
システムのパフォーマンスをより完全に把握するには、「atop」を使用する。4つの主要サブシステム全てをカバーし、後の分析のために情報を記録し、ネットワークではパケットデータを詳細に調べる。
基本的な使用法:atop
「glances」を使用すると、標準的なCPUとメモリのメトリクス、ストレージI/O、ネットワークI/O、サーバのマザーボード上の温度センサーを監視することができる。これはPythonで書かれており、クロスプラットフォームの監視ユーティリティーとなっている。リモート監視機能もサポートしている。このユーティリティーは、クライアントOS「macOS」や「Windows」搭載PCを含む全てのシステムを管理できる。
基本的な使用法:glances
パフォーマンス監視は、システムのCPUとメモリから始める。これらのコンポーネントがストレージとネットワークの機能を駆動する。プロセッサが過負荷でなく、システムに十分なRAMがあれば、ストレージ容量とI/Oパフォーマンスを確認する。ストレージに負荷がかかり過ぎている場合、強力なサーバでも遅くなる可能性がある。次に、システムに出入りするネットワークトラフィックを特定する。どのプロセスが最も多くのトラフィックを生成しているかを示すネットワーク監視ユーティリティーを使用する。
1つのプロセスが複数のサブシステムに与える影響や、システム全体の負荷のような重複する領域も考慮する必要がある。包括的なユーティリティーは、より広い視点を提供し、プロセスが複数のカテゴリーにわたるパフォーマンスにどのように関連しているかを示す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...