SCSKはFPTジャパンホールディングスと、COBOLシステムの出口戦略の提供を事業の柱とする合弁事業会社を設立、事業を開始した。高齢化が進むCOBOL技術者不足の“静かな有事”に対する、現実的な出口戦略を提示する。
「COBOL技術者の求人を出しても応募が来ない」「社内の有識者はあと数年で定年を迎える」――。歴史ある企業において、基幹システムを支えるプログラミング言語COBOLを扱う技術者の高齢化と減少は、もはや「静かな有事」ではなく目前に迫った危機だ。ブラックボックス化したレガシーシステムを抱え、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めようにも、「現行仕様を正確に把握できる人間がいない」というジレンマが足かせとなっている。
その“出口戦略”として、新たな選択肢が提示された。システムインテグレーターのSCSKと、ベトナムのIT企業、FPTコーポレーションは日本法人のFPTジャパンホールディングス(以下、FPT)を通じ2025年12月11日、COBOLシステムを利用する企業を支援する合弁会社「COBOL PARK」の事業を開始したと発表した。
新会社の事業の柱は、単なる保守代行ではない。顧客企業が経営資源を戦略領域へ再配分できるよう、COBOL PARKは以下の「出口戦略」を支援する。
これにより、顧客は「当面の継続活用」か「最新技術へ移行する」か、自社の戦略に合わせて柔軟な選択が可能となる。
メインフレームの安定運用が課題である金融業界からも、新会社への期待は大きい。損害保険ジャパンの内山修一氏(常務執行役員CIO)は、「技術者の持続的な確保は業界全体の重要課題」とした上で、SCSKの知見とFPTの人材力が融合することで「新たな選択肢が生まれることを大いに期待している」とコメントを寄せている。
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