NTTドコモが「運用工数40%減」を実現した“サブスク型インフラ”とは7年間の運用費用を半分に

数年ごとに発生するシステムの更新作業は、多大な費用と現場の疲弊を招く。NTTドコモはこの重圧から逃れるため、Dellの大規模システム向けストレージと新たな調達モデルを採用した。総費用を50%削減した手法とは。

2026年07月07日 05時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 通信キャリアとしての高品質なネットワーク提供にとどまらず、「dポイント」や「d払い」をはじめとする金融・決済領域のスマートライフ事業を拡大しているNTTドコモ。これらの人々の生活に密着したサービスを支えるビジネス支援システム(BSS)領域のインフラには、社会・公共インフラとしての高い信頼性と可用性が求められる。

 NTTドコモは、安定したサービスを継続しつつ、変化に即応できる運用体制への高度化と、運用負荷の最適化を急務となっていた。この課題を解決するために、既存システムとの親和性を保ちながら将来拡張にも適合できる新たなインフラを導入した。

 新たなインフラによって、運用管理にかかる工数や時間を約40%削減することに成功。データの記憶容量当たりの単価を従来比で約50%抑制し、7年間の総費用も旧システム構成の半分以下に削減できる見通しだ。

 ドコモグループとして初となる「基幹システム分野での従量課金型モデル」の採用。そのインフラ調達プロセス改革と、物理的な機器台数を劇的に減らした圧倒的なデータ圧縮技術の裏側に迫る。

「所有」から「利用」への転換

 今回インフラとして採用されたのは、Dell Technologiesが提供する大規模システム向けストレージ「Dell PowerMax」やバックアップストレージ「Dell PowerStore」といったハードウェア群と、サブスクリプション型のインフラ調達モデル「Dell APEX Subscriptions」だ。

 従来型のITインフラ調達では、数年先の需要を予測してハードウェアを一括で購入し、自社で資産として所有・運用するのが一般的だった。しかしこの方式は、初期投資が膨大になる上、数年ごとの定期的なシステム更新(リプレース)作業が現場の負担になる。急激なサービス成長や突発的なトラフィック変動に対して、即座にコンピューティングリソースを増強することが難しいという弱点もあった。

 そこでNTTドコモは、調達モデルをサービス利用型の従量課金制に転換した。利用した分だけ費用を支払う仕組みによって、余剰コンピューティングリソースを抱え込むリスクを排除。初期投資の負担を大幅に軽減するとともに、突発的な需要変動にも迅速に適合でき、拡張性がある俊敏なシステム体制を手に入れた。基幹システムという極めてクリティカルな領域において、このようなサービス利用・従量課金型モデルを採用するのは、ドコモグループ全体で初の試みだという。

データ圧縮技術がもたらす物理的費用の削減

 費用半減のもう一つの大きな要因は、Dell PowerMaxのデータ削減機能にある。

 中核インフラとして稼働するDell PowerMaxは、データ処理性能を維持したまま、書き込まれるデータの圧縮および重複排除を実行する。事前の見立てではおよそ5分の1のデータ削減率を想定していたが、実運用システムにおいては、元のデータ量を6分の1から8分の1にまで縮小するという想定以上の成果を達成した。

 このデータ削減率によって、必要となる物理的なストレージ機器の台数は大幅に減少。結果として、データセンター内でのハードウェア設置スペースと、機器を稼働させるための電力消費量を、従来のほぼ半分にまで低減することに成功した。ハードウェア費用の削減と省スペース化・省電力化が相まって、記憶容量単価の大幅な引き下げにつながった形だ。

運用管理の外部委託による高付加価値業務へのシフト

 システム刷新の効果は、ハードウェアの性能向上や調達費用の最適化だけにとどまらない。NTTドコモは、インフラの運用管理作業そのものを外部の専門チームに委ねるマネージドサービス「Dell Managed Services」を導入した。

 これによって、これまで社内のIT部門が手作業で行っていたメンテナンス時の事前調整などの煩雑な業務が大きく効率化され、1件当たり約3時間の時間短縮を実現した。運用管理全体にかかる工数と時間は約40%削減され、運用チームの稼働率やシステムの可視性も大きく改善している。

 資産所有に伴う運用保守業務から解放されたことで、NTTドコモのIT担当者は、単なるシステムの維持管理ではなく、市場状況の変化への即応や新たなサービスの創出といった、より戦略的で付加価値の高い業務へ注力できる体制が整った。

 NTTドコモの山本幸祐氏(情報システム部プラットフォーム戦略担当 担当課長)は、今回の新インフラ導入について「システムの性能・信頼性やアジリティを高めつつ、大幅な費用削減を図ることができた」と評価している。特に、調達プロセスの改革や、運用サービスの活用による可視性の向上が大きな成果だったという。

 2026年後半の全面移行完了を目指して、従来のシステムから新たなシステムへの全面的な移行プロジェクトが進んでいる。拡張性を備えた新たなインフラを武器に、NTTドコモは通信や決済など幅広い事業領域において、さらなるサービス強化と新たな価値提供に挑む構えだ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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