ウイングアークと日本オプロが提携、帳票SaaSビジネスの活性化へNEWS

帳票SaaSビジネスを強化するため、帳票ベンダーの大手2社が業務提携した。オープンスタンダードな帳票運用環境を提供していくための第一歩だという。

2008年04月18日 21時28分 公開
[榎本有紗,TechTargetジャパン]

 ウイングアーク テクノロジーズは4月15日、日本オプロと業務提携し、SaaS(Software as a Service)市場で統一帳票出力プラットフォームを提供していくと発表した。そのための第一弾として、外部アプリケーションやほかのシステムからデータを呼び出すための帳票の統一インタフェース「ChohyoML」を共同開発していくという。

 「ChohyoML」は、XMLで記載された帳票フォームデータにも対応可能な帳票インタフェースの統一規格。ChohyoMLに準拠することで、ベンダーを問わず、あらゆる帳票ソリューションとの連携が可能になる。国内帳票運用パッケージ市場において出荷金額ベースで50%以上のシェア(2005〜2006年度実績)を占め、大量印刷や複雑な専用帳票に力を入れてきたウイングアーク テクノロジーズと、特に中小企業を対象に、少量印刷や汎用帳票の作成を中心として海外展開を図ってきた日本オプロ、両社の得意分野を生かすことで帳票分野全体をカバーできるとしている。

 ウイングアーク テクノロジーズ 代表取締役社長、内野弘幸氏は「帳票マーケットはまだまだ拡大していく余地がある。われわれ2社が提携することで安心・安全な統一インタフェースを提供するだけでなく、海外展開を視野にまず中国への進出に力を入れていきたい」と述べた。日本オプロ 代表取締役社長、里見一典氏も「お互いの得意分野で補完し合うことで、帳票SaaS市場の一層の活性化を図ることができるだろう。ゆくゆくは欧米への進出も考えている」と話し、海外進出への意欲を語った。

photo 連携のメリットを述べつつ握手をする里見氏(左)と内野氏(右)

 一方、ウイングアーク テクノロジーズでは、帳票SaaSをさらに推進していくための計画も立てているという。ウイングアーク テクノロジーズ 事業統括本部 SaaS推進室室長 岩本幸男氏は、「オープンスタンダードな帳票運用環境を提供するために、今後は帳票SaaSのマッシュアップ(サービス連携)にますます力を入れ、各分野のベンダーやアプリケーションとの連携を図っていく」と述べ、セールスフォース・ドットコムやネットスイートといったSaaSを先導するベンダーとの連携や、サイボウズ、Lotus Notes/DominoといったグループウェアやSugarCRMとのB2E連携を発表した。帳票SaaSでの統一帳票出力プラットフォームを提供していくための一環だという。

2008年度の製品リリース計画も発表

 なお当日は、ウイングアーク テクノロジーズの2008年度製品リリース計画も発表された。5月までにはマイクロソフトのERP製品「Microsoft Dynamics AX」に適合した帳票運用ソリューション「SVF for Microsoft Dynamics AX」と、開発者向けのWeb入力画面開発ツール「StraForm-X」の機能強化版をリリース。6〜8月には、帳票運用の統合および一元管理を実現する基幹帳票運用ソリューション「Report Director Enterprise(RDE)次期Ver.8」や既存のシステムと連携して帳票システムを構築する帳票基盤ソリューション「SVF Connect Suite 次期Ver.8」を発表する予定だ。さらに、2008年第3四半期には、Windows、UNIX、Linuxを帳票サーバにできるモジュール「SVF Java Print 次期Ver.8」をリリースし、第4四半期には.NET Frameworkで作成したアプリケーションから帳票運用を実現する帳票出力モジュール「SVF for .NET 次期Ver.8」とそのインタフェースとなる「UC(Universal Connect) .NET版(仮称)次期Ver.8」を出荷する予定となっている。

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