Notesでワークフローを構築している企業は多いが、そこでやりとりしている帳票の管理はできているだろうか。Notesと帳票ツールを連携して、ワークフローの徹底統制を実現しよう。
2008年の日本版SOX法適用に伴う内部統制強化から、IT統制が求められている。各種データをやりとりするアプリケーションも例外ではない。日本アイ・ビー・エムの「IBM Lotus Notes/Domino」(以下、Notes)は、電子メール、掲示板、データベース、スケジュール管理などの機能を備え、大きなシェアを誇るグループウェアだ。Notesではさまざまな業務が行われ、メールの添付ファイルやデータベース内のファイルなど、機密情報を含む多くのデータが集約される。その管理は、ユーザー企業にとって必須といえる。
アプリケーションの統制には、以下の3つのデータ処理過程における管理が求められている。
インプットの解釈はさまざまあるが、統制上最も重要なのは会計データに反映されるものだ。会計データというと会計ソフトやERPに入力するデータを思い浮かべるが、そのデータはいきなり作成されるものではない。稟議、承認、見積もり、発注、契約、支払いといった業務プロセスを経て入力されるものだ。その各プロセスで作成されるのが「帳票」である。
万一不正が行われた場合、疑うべきは会計ソフトに入力したデータだけではない。監査に耐え得るデータ管理を行うには、見積もりまでさかのぼって把握する必要があるだろう。つまり、いずれ会計データへとつながる金額が書き込まれた稟議書・見積書・発注書・契約書・請求書といった各帳票を「いつ・誰が作り(インプット)、いつ・誰が承認し(プロセス)、いつ・誰に送ったのか(アウトプット)」を企業は把握しなければならない。
また、承認というプロセスでは、場合によっては何人もの担当者が該当帳票を確認する必要がある。例えば営業担当者が作成した請求書を上司が承認し、必要であれば経営者の承認を得るといった具合だ。こうした承認プロセスをスムーズに進めるには、ワークフローの構築が有効だ。その点、Notesは情報共有、電子メールといった文書の蓄積管理が得意であり、ワークフロー処理に向いている。交通費精算をはじめとする日々の伝票事務業務はもちろん、申請フォームなども一定のNotes開発スキルがあれば社内で作成可能だ。つまり、Notesで行われているワークフローのログを取ることで、Notes上のデータのプロセス管理は実現できる。ここに帳票ツールを利用してワークフローに乗せる帳票の作成・出力ログの取得と帳票の保存を補完すれば、Notes上のデータ管理をNotesだけで完結することができるのだ。
今までは、ワークフローを通さなければならない帳票はNotesで、それ以外はExcelや紙でと、その時々で運用していた企業もあっただろうが、日本版SOX法本番の年である2008年度からはそうはいかない。すべての承認作業をワークフローに乗せるとともに、帳票を電子化して証跡として保存しなければならないのだ。
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