全社を挙げて取り組むべし
データガバナンスを成功させるための4カ条
ビジネス主導の正式なデータガバナンスプロセスに着手すべきときだ。レベルの高い取り組みだが、データから得られる事業価値という見返りはさらに高い。
複数の報告書の数字が合わず、調整の必要がある。そもそも報告書の数字が仕事内容に即していない──。ビジネス部門からこんなクレームがきていないだろうか。また、報告書について頻繁に説明を求められてはいないだろうか。
こうしたことは、「自ら問題解決に取り組まない者は、既に問題の一部である」という昔からある言葉を思い起こさせる。ビジネス部門に対し問題解決に参加する必要があると理解させるべきときなのだ。つまり、ビジネス部門は報告書で利用したいデータ定義、事業変革、パフォーマンス測定基準の定義に携わる必要がある。ビジネス部門は、報告書作成の最初の段階でこれらのスペックは提供済みだと考えているかもしれない。しかし事業内容は常に変化するものであり、現状を反映させるためにはすべてを継続的に見直す必要がある。
さらに重要なことに、ビジネス部門から最初に受け取った定義は、恐らく特定のユーザーやグループとの1対1の話し合いに基づいている。こうした定義について、別のグループの合意を取り付けようとしたことがあるだろうか。恐らくないだろう。つまり、1つのグループがこの定義に満足でも(定義したのは自分たちなのだから当然だ)、別のグループは定義に異議があるか、理解できないという理由でこの報告書を利用しない。
では、どうすればいいのか。ビジネス主導の正式なデータガバナンスプロセスに着手すべきときだ。このプロセスは、企業文化と会社の規模に合ったものでなければならない。規律が厳しい大企業なら、ビジネスインテリジェンス(BI)コンピテンシーセンターに加え、運営委員会と作業部会を設置する。それほどの規模でなく統制も厳しくない企業なら、さまざまな事業部門の担当者に責任を割り振り、プロセスをどう機能させるかを決めさせてもいい。ただし、会社の文化や規模にかかわりなく、データガバナンスのプロセスでは、必ずデータの一貫性と品質を保証できるようにしなければならない。
データガバナンスの実行というと、大げさに聞こえるかもしれない。説得力を駆使して人々を巻き込まなければならないだろう。しかし、一貫性があり包括的で適切なデータを会社が望むなら、人々を巻き込むことが必要だ。データガバナンスを実行すれば、数字についての言い争いや調整のために費やす時間を、もっと生産的な作業に充てられることを皆に思い起こさせるといい。報告書を作成する前にデータの一貫性を確保するか、あるいは後でそうしようとするかだ。誰にでも分かることだ。
データガバナンス実行の重要なステップは以下の通り。
- ビジネス部門と協力し、報告書に盛り込みたいデータ、事業ルール、パフォーマンスの測定基準を定義する
- 上記に関する一貫した見方について、報告書を利用する事業部門の同意を取り付ける。そうしないと、システムを実働させることはできない
- データガバナンスプロセスにおける目標を設定し、継続的な参加の約束を取り付ける(これは一時的なプロジェクトではない)
- すべてを文書に残し、ビジネスユーザーが報告書を参照したりデータを分析する際に簡単に利用できるようにする
幸運を祈る。レベルの高い取り組みだが、データから得られる事業価値という見返りはさらに高い。
本稿筆者のリック・シャーマン氏はBIとデータウェアハウスの分野で18年以上の経験を持つ。独立系コンサルタントとして50以上のプロジェクトに携わり、大手会計会社で取締役/プラクティスリーダーを務めてきた。BIコンサルティング会社Athena IT Solutionsの創設者。
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