理解力を高める学習方法として、「ファインマンテクニック」という手法がある。“知ったかぶり”にならないために、実践すべき正しい学習方法とは。
開発者にとって、新人かベテランかを問わず日々の学習は欠かせない。変化が激しいIT分野では、次々に新しい情報が出てくる。物事をきちんと理解するための学習法として効果的なのが、「ファインマンテクニック」だ。具体的にどうすれば“知ったかぶり”をせずに、正しい知識とスキルを習得できるようになるのか。4つのステップを紹介する。
ファインマンテクニックは、基本的に「学ぶ」「教える」「復習する」「単純化する」という4つのステップで構成されている。
まずは学びたいテーマを選ぶ。テーマは焦点を絞ることが重要だ。例えば「コンピュータサイエンス」では範囲が広過ぎるため、「リポジトリ共有サービス『GitHub』でデフォルトブランチ(注1)名を変更する方法」といったように、具体化するとよい。
※注1:デフォルトブランチは、ファイルやディレクトリの状態を保存する「リポジトリ」内で作業履歴の分岐を可能にする「ブランチ」のうち、リポジトリの作成時から存在するブランチのこと
テーマを決めたら、それに関して既に知っていることを全て書き出す。集中力を持続させるため、書き出す内容は2、3ページに収まる程度が好ましい。このプロセスを通じて、テーマに対する自信を持てるだろう。きっと自分の中にある知識量に驚かされるはずだ。また、このプロセスを通じて、テーマに関する探求心を強めることもできる。
このステップでは、テーマに関連する教科書やマニュアルなどを参考にしてよい。メモを取る際は簡潔になるよう心掛ける必要がある。
知っていることを全て書き出したら、メモを要約する。エレベーターピッチ(短時間のプレゼンテーション)や友人に対する説明、あるいは小さな子どもから質問された場合をイメージして要約するとよい。
「対象テーマについて人に分かりやすく教えることができたとき、自身がそのテーマについてよく理解できたと言える」というのがファインマンテクニックの基本的な考え方だ。教える相手は小さな子どもである必要はないが、「子どもが理解できるくらい明確でシンプルに説明できること」が重要だ。
説明時は、相手からなるべくたくさん質問してもらうとよい。自身が見落としていた部分を特定することで、より分かりやすい説明につなげられるからだ。
ファインマンテクニックの効果を最大化するには、ただ人に教えただけでは不十分だ。説明した後は、うまくいった点と、改善点を振り返ることが重要だ。
以下の質問を自分に投げ掛けてみよう。
このように振り返りを実施することで、まだ十分に理解できていない部分を発見できる。どの情報を追加学習すればよいかも明確になる。
ステップ3で発見した弱点を補強したら、再び説明文を組み立てる。簡潔にまとめることを心掛け、混乱を招くような余計な情報は盛り込まないよう気を付ける。
複雑な部分をより分かりやすく説明するために、独自のアナロジー(例)を開発するのもよいだろう。
自信を持てる説明が完成したら、今度はそれを別の人に説明する。ステップ3以降のプロセスを繰り返すことで、説明はより分かりやすくなり、自身の理解も深まる。
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