新たな技術が次々に台頭する中で、開発者は学習を怠ることができない。より効果的に知識を習得したり、スキルを高めたりするための学習手法がある。どのようなものなのか。
IT分野で注目を集める技術は頻繁に変わるため、開発者には常に“学習”が求められる。開発者が新しい技術やスキルを効果的に学習するための手法がある。「ファインマンテクニック」という学習方法だ。ファインマンテクニックは理解を促すだけでなく、さまざまなスキルの向上にも役立つ。どのような手法なのか。
ファインマンテクニックは、ノーベル賞を受賞した物理学者、リチャード・ファインマン氏が推奨した学習手法だ。ファインマン氏は、量子コンピュータ理論のパイオニアでもある。ファインマンテクニックは「特定のテーマについて、小さな子どもでも理解できるように説明できるなら、そのテーマを理解できていると言える」という考えに基づいている。
コーディングからスキューバダイビングまで、幅広い分野の学習にファインマンテクニックは応用できる。ファインマンテクニックは、基本的に「学ぶ」「教える」「復習する」「単純化する」という4つのステップで構成されている。
ファインマンテクニックは学習の効率化を図るだけでなく、問題解決や交渉などの非定型スキルである「ソフトスキル」を強化する手段としても有効だ。ソフトスキルは仕事でもプライベートでも重要になる。
例えば、複雑なテーマについて周囲が理解しやすいように説明できれば、全員の認識が一致するのにかかる時間を短縮できる。その結果、ミーティングの効率性と生産性の向上につながる。人前で話すのが苦手な人は、特にコミュニケーションスキルを向上させる手段として効果を感じることができるだろう。
後編は、ファインマンテクニックの具体的な実践方法を紹介する。
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