データの長期保存なら「テープ」と「光ディスク」のどっちがいいのか?激変するテープの今とこれから【中編】

ストレージの技術が進化する中で、かつては定番だった「テープ」の競合が多様化している。その一つが「光ディスク」だ。テープに対して、光ディスクにはどのような特性があるのか。

2024年05月20日 08時00分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

関連キーワード

管理者 | インフラ | ストレージ


 「テープ」はストレージ市場から消えることなく企業のデータ保管を支え続けてきた。依然としてテープは進化を続け、活躍しているが、他のストレージ技術も登場する中で厳しい競争に直面していることも事実だ。テープの競合となるストレージの一つに「光ディスク」がある。テープと比較すると、光ディスクにはどのような得意、不得意があるのか。

「テープ」に対する「光ディスク」のメリットとデメリット

 ストレージベンダーFujifilm Recording Media USAのテープエバンジェリズム責任者、リッチ・ガドムスキー氏によると、テープは主にバックアップのようなアクセス頻度の低いデータの保存と、アーカイブという2つの役割を果たしてきた。企業が保存するデータが増える傾向にある中で、「企業は新しいデータ保存法を考える必要がある」とガドムスキー氏は指摘する。

 テープと競合するストレージの一つが、光ディスクだ。ストレージベンダーFolio Photonicsは2022年、光ディスク1枚当たりの記憶容量が500GBまたは1TBになり、カートリッジ当たり10TBまで増やせる技術を発表した。

 「テープを完全に置き換えようとは考えていない」。Folio PhotonicsのCEO(最高経営責任者)スティーブ・サンタマリア氏はそう語る。同社は、テープについては特定の用途に最適化した製品開発に取り組む。特に大量のデータを扱う大型データセンター運用事業者にとって、コストメリットの観点でテープは魅力的になるとサンタマリア氏はみる。今後、データによりアクセスしやすいテープ製品を投入し、テープの新しい市場を開拓するという。

 コンサルティング会社Dragon Slayer Consultingプレジデントのマーク・ステイマー氏によれば、光ディスクも完璧な記憶装置というわけではない。同氏によると、光ディスクは「ランダムリード」(ランダムなデータの読み書き)に関しては得意だが、「シーケンシャルリード」(連続的なデータの読み書き)は得意ではない。この問題が、企業が光ディスクを採用する上での課題になりかねないとステイマー氏は説明する。


 後編は、ストレージ媒体としてのガラスやセラミックの可能性を考える。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

空冷だけではなぜ不十分? データセンターの熱負荷対策をどうする

CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?

製品資料 Dropbox Japan株式会社

ファイルサーバをアウトソーシング、「クラウドストレージサービス」の実力

中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

データの長期保存なら「テープ」と「光ディスク」のどっちがいいのか?:激変するテープの今とこれから【中編】 - TechTargetジャパン サーバ&ストレージ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...